2018年04月04日

【転載】このままではメコン流域が「第二の南シナ海」になってしまう 宮崎正弘


【転載開始】
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)4月1日(日曜日)
        通巻第5655号  
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このままではメコン流域が「第二の南シナ海」になってしまう
 中国、メコン河に巨大ダムをあちこちに建設、地元住民は反対
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 「このままではどうやって将来を暮らすのか?」
 環境汚染、生態系の激変を理由に住民の反対運動が起こるのは世界中に共通だが、立ち退かされる農民、林業従事者、そしてメコン河の魚介類をとって生活費を稼ぐ漁民は、もっと深刻な不安に怯えている。

 とくにラオス、カンボジア、ベトナムは一党独裁か専制政治。メコン河は、この三つの国を流れて、南シナ海へ注がれる。

 西側の遣り方は、地域住民に説明会を開き、根気よく説得し、転業の支援ならびに移転先の住宅確保、就労の斡旋などして住民の賛同を得る。同時に当該政府と交渉し、許可を得る。

 中国の場合、最初から住民は無視である。
まずは政府にアプローチし、独裁者や支配層に賄賂を贈り、政府高官が潤うという仕組みをつくり、外野のロビィ活動としての政治圧力には在留華僑を動員する。
世論は華僑経営のメディアが一方的な報道でキャンペーンを張る。

この構図は普遍的であり、嘗てフランスや英国の支配層に食い入り、原住民とは対立し、抑圧し、搾取する側にあったのが華僑だった。
だから地元民からは深く恨まれる。キリングフィールドの殺戮現場は華僑の墓地だった。ベトナムでは華僑がボートピーポルとなって海の藻屑と消えた。インドネシアでは多くの華僑が逼塞して暮らした。

 「メコン河流域サミット」にはラオス、カンボジア、タイ、ベトナムの流域国が参加し、ミャンマーと中国が外相を送り込んだ。
 
検討されたメコン河流域開発のプロジェクトは合計227,次の五年間で総額66億ドルが投下される。つまり「メコン河流域は『第二の南シナ海』と化ける」(『サウスチャイナ・モーニングポスト』、2018年3月31日)。


▲カンボジアは複数政党政治などと良いながら実態は親中派のフンセン独裁

 ラオスでダムの突貫工事が進んでいることはさきにも見たが、カンボジアでも巨大ダムがふたつ工事が始まっている。

最大規模は『セザン2』で最大出力400メガワット、一時間に19億キロワットの発電、流域75キロ平米が水没する。総工費8億1600万ドルで、この工事請負はジョイントベンチャーの形をとり、中国のHUANENNG HYDRO集団が株式の51%、カンボジアのロイヤル集団が39%、残り10%がベトナムのEVNホールディングというスキームになっている。

そのセザン現場から南へ180キロ、サンボーにも大きなダムが建設され、ベトナムにも電力が供給される。
カンボジアは複数政党政治などとジェスチャーをみせながら、野党は国外に逃げるか刑務所にあり、選挙は中国が実弾支援という腐敗政権で、実態は親中派のフンセン独裁である。

 メコン川サミットに、流域外のミャンマーが参加したのは、2016年に一度キャン説下ミィソンダム(総工費36億ドル)が再び中国の政治圧力によって再開する機運が高まっているためである。

       ○◎▽み□△◎や◇◎□ざ▽◎○き○□□
【転載終了】
 20世紀末からメコン委員会で話し合いの場が設けられても、実際は停止状態。中国に計画見直し気運はない。上流に巨大ダムを作れば、水利が中国有利になるのは必定。下流域の暮らしが成り立つかどうか、残念ながら、委員会に調整能力はない。
posted by 三間堀 at 12:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月12日

【日】北朝鮮攻撃に通常ミサイルでは不足な理由 中川八洋


 2004年発行だからかれこれ15年前の書物に中川八洋著『日本 核武装の選択』がある。時代はまだノドン・ミサイルが北朝鮮の脅威とされていた。ノドンの射程距離は1200km、花台から日本列島がすっぽり納まる。加えてノドンに核或いは生物・化学兵器をを搭載すれば、その被害が甚大であるのは言うを俟たない。北朝鮮の齎す危機は程度こそ違えどその構造は同じだ。だが当時、防衛論議、北朝鮮の脅威への対処議論が深まっていたとは言えない。自民党内議論で「攻撃能力」の必要性が漸く始まったと報じられる程度だ。この間の議論の停滞は言うまでもなく憲法9条の神学論争の迷路にある。カルト宗教化して現実を跳ね飛ばす。一方で政府は専守防衛から積極的防衛へとアクロバチックな憲法解釈で装備、能力の涵養に努めてきた。勿論、それは現実の「必要の前に法はなし」的対応、大人の嘘の塗り固めだ。

1) さて北朝鮮の脅威を除去するにどうするか。中川の解答は明快だ。
<ミサイルすべて、ミサイル生産工場、ミサイル発射場、通信などの関連施設、…の完全破壊である。

2) 当時は勿論、今でも「ぶっ飛んだ提言」をする。
<核トマホークである。

3) 何故、通常型ミサイルではダメなのか。(言うまでもなく以下の議論は最新事情に更新する必要が有る)
<❶その破壊力からして地表上の軍事施設を完全には破壊できない。
 ❷半地下や地下の工場であれば、ほとんど被害を与えない。
 「❸北朝鮮は山間の土地も多く、それが自然要害となる。
 ❹移動式ミサイル発射場がある」(私の補足)。
 …核ミサイルであれば、上記の難点をかなりカバーできる。当時も今もこうした攻撃は日米同盟により米国に担当してもらうしかない。

4)北朝鮮は政府=軍であり、軍が壊滅的打撃を受ければ金王朝は権威を失い自動的に瓦解する。
***
 金王朝崩壊の前に反撃があろう。韓国、日本の米軍基地めがけてミサイルが飛んでこよう。その隙を与えないように電撃的攻撃が必要で、それでも漏れは出るだろう。それをMDで対処するのが模範解答だが、同時多発の場合は防ぎきれまい。これは日本の覚悟の問題でもある。戦火は浴びる。

 当然、北朝鮮人の「難民」対策もワンセットだ。現在、漂流船として年間60〜70隻あるようなので、激増しよう。専門家は北朝鮮の危機とは難民の大量流入だと指摘する声が強い(このブログでも採りあげた)。
posted by 三間堀 at 02:28| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月11日

【越】ヴェトナム史から見た対中教訓 川島 博之


 JBP記事に表記に触れた部分があった。なんとなく知ってはいるが、明瞭ではない、ヴェトナムの対中抵抗史だ。

***
(1)中国は新たな政権ができるたびに、冊封下にあるベトナムに攻め込んでいる。冊封体制の下にあるといっても安心ではない。「中国は平和主義の国であり、外国に攻め入ったことがない」などという話は全くのウソである。
(2)強い皇帝が現れた時に対外侵略が行われる。漢の武帝、明の永楽帝、そして清の乾隆帝の時に、大規模な侵略が行われた。そして、明の永楽帝が亡くなるとベトナムが独立を回復したことからも分かるように、中国との関係を考える際には「強い皇帝」がキーワードになる。
(3)実は中国軍は弱い。小国ベトナムを相手にして、ここ1000年ほど負けっぱなしである。特に船を用いた戦いに弱い。大陸国であるために、船を乗りこなすのが苦手だ。現在のハロン湾周辺の河口域で行われた戦において、ベトナム側の同じような戦法に引っかかって何度も負けている。
(4)小国ベトナムは、勝利した後に素早く使者を送って、へり下る形で和睦している。冊封体制の下で生きることを選んだと言える。冊封体制下で生きることはメンツを失うことになるが、中国から派遣された代官の暴政にさらされることはなくなる。朝貢しなければいけないが、お土産を持って行けばそれに倍するお返しをもらえたことから、名を捨てて実を取る選択と言ってよい。(止め)

 社会主義国間に戦争はない、と信じる人にショックだったのが、中越戦争1979年2月だ。それに先行する1979年1月、カンボジアの親中国のポルポト政権をヴェトナム軍が侵攻して瓦解させたため、中国が懲罰を与えると攻め込んだのだ。

 さて習近平が「強い皇帝」かどうかは議論の分かれるところかもしれないが、その膨張主義が目立つのは間違いなく、南シナ海の「サラミ戦術」が着々進行中で、ヴェトナムとも摩擦が生じている。

 ヴェトナムが戦争に強いのは、国民が最後の一人になっても戦い抜くことにある。祖国防衛戦争なら尚更だ。
ラベル:ヴェトナム 中国
posted by 三間堀 at 14:30| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月09日

【鮮】ミサイル実験の停止と核兵器を断念すると北朝鮮が申し出 James Holbrooks March 6, 2018


 表題どおりなら、米国にとってはまず満足だろうが、一見一方的に譲歩するような話だけに隠れた条件があるかもしれない。仮如、「新たな」が付けば、現状維持になる。日米とも半信半疑の慎重姿勢だ。まあ、さはさりながら、表記をつまみ食いしておく。
《摘要》
1。平昌での冬季オリンピックで成った進歩を延長して、火曜日に韓国高官曰く。北は今や核兵器プログラムの放棄という考えにオープンだ、米国との交渉が進行中の間ミサイル実験を停止さえするかもしれない。

2。加えて、より良い意思疎通を図るため南北間でホットラインが確立するだろう。この善意のすべては、しかしながら、米国が金体制の安全を保証するか次第だ。

3。「北朝鮮側は明確に非核化を厭わないと陳述した」、文大統領府が声明の中で述べた。「同国は北への軍事的脅威が除去されその安全が保証されるなら、核兵器を保持する理由のないことを明確にした」。

4。「北は、非核化及び米国との関係正常化の問題に関して、米国と心琴に触れる対話を持つのを厭わないと表明した。対話継続中の間、核及び弾道ミサイル実験といった戦略的挑発の何ものも企図しないだろうと明確にした」。

5。「北朝鮮との対話の中であり得る進歩がなされている。長年のうち初めて、真剣な努力が関係当事者全員により成されている。世界が注目し待望している。希望は偽りかもしれないが、米国は何れの方向であれ生真面目に行く覚悟だ」。

6。調子は類似している、仮令少しばかり切っ先鋭いながら、副大統領ペンスの声明に。「北朝鮮との対話が進む方向がどちらにせよ、我々の決心は堅固だろう。米国と同盟国とは核プログラムを終わらせるため、金体制に最大限の圧力を掛ける関与に揺るぎない。すべての選択肢が卓上にあり、同体制への我々の姿勢は非核化に向けた信頼でき、検証可能で、具体的な手順を見るまで、変わらないだろう」。

7。冬季オリンピックの間延期された合同米韓軍事演習に関して、4月には進むだろう。Chung Eui-yong、韓国国家情報院部長にして平壌使節団を率いた男が火曜日記者団に告げた。金はこの局面で驚くほど上機嫌だった。「金 正恩単純に言った、合同演習が以前と同じ規模で4月に続かねばならない理由を理解できると。しかし、将来朝鮮半島の状況が安定化したら、それが再調整されるのを期待したい、と彼が言った」。

8。事実、Chung曰く。南との会談中、米国が同国の安全を保証するとの依頼を超えて、金は他の何も要求しなかった。(止め)
***
 北朝鮮関連についてもう少し情報収集が要るかもしれない。
posted by 三間堀 at 14:45| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【鮮】北朝鮮が党執行部に連邦型統一案を押し付ける RFA 2018-03-08


 朝鮮半島の統一があるとすれば、北朝鮮主導だとは前々から言われてきた通説だが、先のオリンピックがそれを益々強く印象付けた。北による統一案関連記事(表記)をつまみ食いする。
《摘要》
1。北朝鮮が労働党執行部に義務的講義を開催中だ。平昌オリンピックで南北間関係の突破に続いて、分断した朝鮮の統一を追求するとの指導者金 正恩の決定を促進するためだ。同国内部筋が語った。

2。会期を指揮する高官たちは諸国の統一を直ぐに実現するプロジェクトとして言い募っている。尤も両国は技術的には戦争状態にある。朝鮮戦争の戦闘を終わらせた1953年休戦が平和条約に決して取って代わっていないからだ。

3。「中央委員会が最近の執行部向け講義会期で朝鮮半島が連邦的に統一されるだろうと宣伝してきている」と首都平壌のある筋が述べた。それは与党朝鮮労働党の主たる政策立案団体のことで、政府政策に関し政治的及びイデオロギー的キャンペーンを承認し、仕上げ、助言する。

4。平壌はいつだって2つの朝鮮の連邦を貧しい北がより豊かな南を吸収に向けた極短期の移行と見てきた、他方南はそれを真実の統一を無期限に延期できる平和的象徴的な統一と考えてきた。

5。中国では、「一国両制」原則が唯一の中国があることを保持する。そこでは、香港及び澳門という元植民地支配の地域がその経済及び行政のシステムを保持する一方、大陸は社会主義市場経済と中央集権的共産党支配に執着する。

6。北は大規模な使節団を送った。南北朝鮮の競技選手は2月9日開会式の間彼らがスタジウムに入る時、共通の旗の下肩に肩を並べて行進した。翌日、両側の選手が合同女子アイスホッケー・チームを結成し、「朝鮮」として競技して、初めてオリンピック大会で両国が一緒になって競技するのを刻印した。

7。「また講義は北朝鮮選手と応援団、演技チームそれにテコンドーの模範演技が平昌冬のオリンピックを指導し、残りの世界の注目を惹いた[北の成功への証言として]、と平壌筋が語った。「それが金 正恩の攻撃的な統一戦略の結果として宣伝されている」。

8。講義出席者及び労働党執行部それに司法・行政組織からの参加者は誇りをもって金 正恩の新統一案を宣伝せよと指示されたけれども、その多くが同プロジェクトに疑念を持っている、と平壌筋が語った。(止め)
***
 大東亜戦争が終わり、朝鮮が日本から分離・独立した時、日本の築き上げた資産が膨大で南に比べて北の方が豊かだった。朝鮮戦争を経て冷戦構造の中で南北が固定され、別々の道を歩み大きな相違が出たのは周知の事実だ。結局、共産主義は貧困の平等を齎しても、豊かさの実現に繋がらなかった。

 今、北は南を併合してその富の分配を得ようとしている。なお、中国の一国両制はインチキであって、精々「一国一・五制」だろう。経済こそ自由にやらせているようだが、政治は民主主義を認めていない。北京語半ば強制、広東語追放運動もある。
posted by 三間堀 at 09:44| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月05日

旧聞)【泰】山なす圧力に直面する軍政 CFR February 12, 2018


 CFRは、米国のものの見方の代表の一つ。表記はタイ国軍政を採り上げた珍しいものの一つ。つまみ食いする。
《摘要》
1。ごく最近、今年11月に選挙実施を約束した後、軍政指導者が今や2019年はじめに選挙日を先延ばしした。軍政埋め込みの暫定議会団体が選挙法の施行日を引き伸ばしたからだ。…それでも、軍政が以前に複数回選挙を遅らせて来たので、この先送りは軍が投票をもっと先の2019年へ押しやるのかどうか、さもなければ道路(ロードマップ)をさらに一層降るのかという疑問を一層提起する。

2。これらの遅延は陸軍に直接統治の時間をより多く与えるだけでなく、潜在的に軍指導者たちに自身の親軍政党或いは諸政党(その一つが軍政指導者プラユット・チャンオチャを受け入れるかもしれない、因みに彼は今では自分を政治家と呼ぶ)連立を組織する時間を与える。そして文民政府の中で[思惑を]実施する。

3。勿論、2014年5月のクー以来、軍がタイ政治の輪郭を根本的に変えてきた。仮令選挙が実施され贔屓の政党或いは連立が負けるにせよ、軍が極端に強力のままであることを確実にする為だ。

4。しかし数ヶ年の平穏の後、大部分これが数十年のうちタイ国で最も抑圧的な軍政だという事実の所為で、軍はある範囲のもっと公然と声に出す反対運動に直面する。著名な市民社会の指導者やジャーナリストが数段進んで将軍プラウィット・ウオンスワン、軍政のNo.2に副首相の座を降りよと呼びかけた。公式の場で夢のような腕時計、主張されるところ時価100万ドル超ー未申告の資産ーを着けているのが脚光を浴びた。

5。なお他の活動家がバンコクで小さな集会を開き、他の都市では軍政と選挙遅延に抗議した、これら集会の指導者全員が逮捕されるにも拘らずだ。

6。この反対は(結果的な)選挙の助走に入る。だがそれは亦軍政の持つ環境にも入る。その中で概して軍政が自らの主張、即ち権力掌握後、政治の掃除をする積りだ、に関して善をなして来なかった。北部及び東北部でのより力強い成長がなかったことは選挙時プアタイ党に役立つかもしれない。プアタイ党指導者が明らかに頼りにしている要点だ。尤も軍政は成長がもっと幅広に広がらねばならないと認識しているようだし、最低賃金の引き上げや新しい貧困撲滅ファンドを計画している。(止め)
***
 プラユットは首相職の魅力に惑溺して、他の人間に椅子を渡したくないようだ。

 暴力で政権を握った者は後継を狙う暴力に神経質だし、自分が国民に支持されているのか分からない不安がある。国王に縋ろうにも新国王はまだ日が浅く、XXの権威さえ危なかしい。ほとんどの国民は真実を語らない。分からぬまま選挙をすれば惨敗だろう。
ラベル:圧力 軍政 タイ国
posted by 三間堀 at 16:17| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月04日

【豪】対中、対米関係を考量するオーストラリア その2(完) GPF February 2, 2018


【承前】その1はこちら
2つの戦略
6。中国及び米国との関係を管理するのに役立たせるため、オーストラリア政府は2つの戦略を追求している。中国に関して、キャンベラはビジネスの結びつきに重く焦点を当てている。中国経済が運営続行には途方もない量のコモディティーを必要とする。そしてオーストラリアの石炭と鉄鉱石との輸出(取り分け)が概してこれから受益する。2008年金融危機の最中及び以後、オーストラリアは反感を買う中国から引き揚げた。爾来、キャンベラは富む世代に焦点を当て続けることと北京と堅実な関係を維持することとの価値を見てきた。

7。米国に関しては、オーストラリア政府は日本やインドといった地域の同盟国を包含する米国との安全保障関係拡張に意欲を誇示してきた。最最近の実例の幾つかは、四カ国安全保障対話、米豪日印を巻き込む非公式連合それに諸国間の軍備移転とダーウィンでの日本部隊訓練を重大に高める日豪間の2カ国合意、を含む。そうした動きが示すのは米国への関与で、一方同時に他の諸国との防衛紐帯を強める。「その近隣」を外交政策白書の中でインド太平洋地域と政府がラベル付けしたことは、キャンベラが日印との紐帯を掲載して太平洋に於ける権益の確保に資することの強調を反映する。北京が南シナ海ー地理的位置のお陰でオーストラリアがそれに依存することは少ないがーを囲い込みし続けるので、オーストラリアは解放貿易の流れを維持する必要があり、それ故に海路を利用可能に留めることを確実にする能力のある安保同盟を持たねばならない。それは同国が米国を必要とすることを意味するが、米国の地域従事が萎むなら、また益々支援を求めて地域同盟国を探すことになっている。

8。オーストラリアに関して、ジレンマは重要な安全保障パートナーとトップ経済パートナーとが不和だという事実に帰着する。これはオーストラリアにとって相対的に新しいシナリオだ、2007年までトップの貿易パートナーもまたトップ安全保障パートナーと同列に並んでいたからだ。1900年代初期から1960年代の前半を通じて、連合王国(UK)がオーストラリアのトップ貿易パートナーだった。それから、ざっと1965年から日本が指導的貿易パートナーとしてUKに取って代わった。2007年中国が順位を引き継いだ。その間米国はオーストラリアの2番目或いは3番目に大きい貿易パートナーの地位にあった(今の所2番目に近い)。安全保障について、当初オーストラリアはUKへの依存にその植民地繋がりを用いた。第二次世界大戦後、米国がオーストラリアのトップ安全保障パートナーとなった。(そして日本が同じく米国の安全保障の傘下に入った)。米国とUKとの長く続くオーストラリアの同盟国でファイブ・アイズ(Five Eyes)、インテリジェンス共有プログラム(カナダ、ニュー・ジーランドを含み、アフガニスタンやシリアといった国際軍事任務で協調)といった組織に巻き込まれているのが見られる。

安全保障vs経済
9。国益を確実にするため今でも機能しているのに諸国がパートナーシップを再評価するのを見るのは尋常でなくはない。この時点で、オーストラリアは安全保障と経済間で選択する可能性を眺めている。究極的に、同国は2つの理由から米国側につくだろう。1番目、国が二者択一を迫れた時、安全保障が経済に圧勝する。これは特にオーストラリアにとって真実だ。そこでは安全保障が経済の健康を確実にする上で統合的役割を果たすからだ。他の理由は中国がオーストラリア経済に大きな役割を果たすけれども、キャンベラは拠り所として世界のトップ経済(米国)、3番目と5番目に大きい経済(日本とUK)があり、言うまでもなく芽吹いたインドとの安全保障関係、同国経済は世界7番目だ。仮令実存的脅威を措定せずとも、この新しい力学へのオーストラリアの不安は理解出来る。(止め)
【完】
 9で述べられた考え方は日本にも応用できまいか。
posted by 三間堀 at 12:32| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月02日

【豪】対中、対米関係を考量するオーストラリア その1 GPF February 2, 2018


 「オーストラリアにとり、ジレンマは重要な安全保障パートナーとトップ経済パートナーとが不和だという事実に帰着する」(表記)。
《骨子》
1。ないまぜになったメッセージが今週オーストラリアから齎された、中国の脅威についてのキャンベラの認識に関してだ。たとえば、国防相が一夜にして北京からの脅威に関する立場を一変させた。当初、彼女いわく。オーストラリアは米国の国家安全保障戦略ー中国の拡張する軍事力を安全保障のトップ優先事項ーと類似した懸念を共有する。後になると、彼女は後退して、オーストラリアは中国を脅威と見ないと言った。首相丸コム・ターンブルと外相ジュリー・ビショップもまた唱和し、中国はオーストラリアには軍事的脅威でないと述べた。これに直ぐ続いたのがオーストラリア安保インテリジェンス組織の副部長、中国はオーストラリアに極度の脅威、特にスパイ活動分野で与えていると主張した。行ったり来たりする物言いはなんら新しくなく、どれ程オーストラリアの直接の経済的ニーズが長期的な戦略目標と不和たり得るかの症候群だ。

2。キャンベラは国の焦点を米国からアジアに移すべきかどうか問うている。オーストラリアが感じる中国と米国間の引き合いが政府の2017年外交政策白書で捕えられた。同文書の中、オーストラリア政府は米中関係とその太平洋地域への影響をキャンベラの主要な挑戦と同定する。オーストラリアの主要な目標それに挑戦は、島国の輸出入が世界中自由に動けるように、全球的な貨物航路を保護することだ。南半球に位置する同国は主要な海上航路の周縁部にある。同国は人口規模が小さくー特に陸塊と比べればーそして非常に長い海岸線がある、それが同国の軍事能力を制約する。

3。オーストラリアは全体として大規模な人口定着には無愛想な環境だ。そしてそれ故にそのニーズ全てを国内で賄えない。これのため、同国はいつも外部の大国に依存してきたー海路の安全確保と貿易を通じて経済活動に拍車をかけるための双方だ。米中関係がオーストラリアの国際的利益と交差するのが此処だ。同国は強力な貿易とビジネス・パートナー及び貿易の流れを保護する強力な軍事同盟を必要とする。オーストラリアにとって現在のジレンマはそのトップ貿易相手の中国がオーストラリアの安全保障上のパトロン、米国と熾烈な対抗関係に釘付けなことだ。オーストラリア高官からの衝突する陳述はますます相互不信になる両大国との不即不離で働かねばならないことについての不安感の反映だ。

4。オーストラリアはどちらの側に靡くべきかをめぐる問題がここ数ヶ年沸騰寸前できた。オーストラリアのメディアの多くと多くの政治家が中国人移民、影響力とスパイ活動について問題を提起してきた。ターンブルと他の政治的指導者が次第にオーストラリアでの中国の影響力、特に中国資金がオーストラリアの政治キャンペーンや政策を振り回すのに使われているとの記事の後、に対してもっとタカ派になってきた。またオーストラリアの不動産、港湾や農地への中国人投資に関して取り締まるようになった。

5。去年、米大統領ドナルド・トランプ政権が地域への米国関与に疑いを投げかけた。就任してほんの数日後、トランプがシリア難民を再定住させる米政府とオーストラリアで結んだ取引を破ると脅した。間もなく、ワシントンはTPP、オーストラリアを含む12カ国の貿易取引から脱退した。北朝鮮に於ける状況ー核兵器プログラムと米国に措定した脅威ーがまた、オーストラリアに停止を与える。大きな軍事的衝突がその安保関与を尊重するワシントンの能力を混乱させかねないからだ。米国はオーストラリアが依然必要だ、域内での強力な足場を維持し決して同国を裏切れないからだ。しかし国内問題が米外交政策を弾力化させ、またオーストラリアのような同盟国を不快にさせる。(止め)
【その2へ続く】
posted by 三間堀 at 12:14| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月01日

転載)【緬・中】ご都合主義的な、あまりにご都合主義的な 宮崎正弘の国際ニュース・早読み第5618号



【転載開始】
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018)2月17日(土曜日)
         通巻第5618号 
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 「ご都合主義的な、あまりにご都合主義的な」
   中国のミャンマー政策はカメレオン的ご都合主義だが。。。。
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 ミャンマーからバングラデシュへ逃れたロヒンギャ難民は「68万余」(アジアタイムズ、2月14日)にも達した。
国際社会はスーチー政権を痛烈に批判し、その非人道的な処遇に怒りをぶつけているが、もともとは英国の植民地における民族隔離政策が原因である。だから英国のメディアが一番激烈にスーチーを攻撃し、ロンドン議会は名誉称号を剥奪した。

この歴史のアイロニーを鋭角的に衝いてロヒンギャ問題を英国の責任とするのが、じつは中国なのである。

 既に報じられたように、ミャンマーの孤立という絶好の機会を捉えて、外交に活用するのが、中国の遣り方。隙間をぬってヤンゴン(ミャンマーの首都)に突如として笑顔で近付いたのが中国だった。
王毅外相は急遽、ヤンゴンを訪問し、高らかにミャンマー支援を約束した。中国のメディアは「ロヒンギャはテロリスト」と国際社会とはまったく異なる分析をして見せた。

 実際のところ、中国にとってロヒンギャ問題は、直接的影響が稀薄である。
かれらの居住区(ラカイン州)に拠点があるガスと原油のパイプラインの安全こそ気になっているが、中国がもっとも懸念しているのは、むしろカチン族、シャン族、ワ族、カレン族の武装勢力との武力衝突である。とくにカチン族とシャン族は中国との国境に盤踞する。

 いま一つはロヒンギャがイスラム教徒であり、かれらの一部が流れ込んだと推測される新彊ウィグル自治区のイスラム過激派との連携を警戒している。

 ミャンマーの孤立を救うかにみえる中国は、前ティンセイン政権がキャンセルしたイラワジ河の水力ダムの復活を狙っているが、これは住民の反対運動が継続しており、円滑には進まないだろう。

 パイプラインをすでに完成している中国としては、次にミャンマー港湾の大活用を狙うのが「カヤウクファユ経済特別区」の開発である。この自然の港湾は深海であり、現在、大規模なコンテナ基地を増設中である。
 
 このプロジェクトはCITIC(中国国際投資信託公司)が主導権を握り、ミャンマー政府との合弁事業として、中国港湾エンジニアリング公司、雲南建設集団など中国系企業三社と、タイのCPグループが参画して国際的なコングロマリットを形成し、コンテナヤードの拡大と付近の工業団地、輸出特別区など宏大な施設をつくるという蒼写真のもと、工事が進捗している。

この経済特区の建設現場は、ラカイン州の南部に位置し、ロヒンギャとの衝突現場からはやや遠隔地になる。

 まさに中国は「人権」を逆手に、ミャンマーを外交的に活用して得点を上げる。「ご都合主義的な、あまりにご都合主義的な」カメレオン外交には要注意だろう。
     ◎▽□み◇◎◎や◎▽◇ざ◎□◇き□◇◎ 
【転載終了】  
ラベル:中国 ミャンマー
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2018年02月28日

【印】中国との戦闘のためアフリカ沖に大きな海外軍事基地を建設するインド その2(完) Tyler Durden 02/21/2018


【承前】その1はこちら
10。中国主席習近平の下、中国の海軍の範囲が相当増大してきて、従来はその影響圏内と考えられない地域まで直接の海岸線を遥かに超えて拡張している。

11。昨年7月、中国は最初の海外軍事基地をジブチに設立した。それはバブ・エル・マンデブ海峡、世界で最繁忙の海路にして3つの決定的なインド洋の火薬庫の1つに近い。

12。同海峡は、最も狭い地点で幅29KMしかなく、スエズ運河を経由して地中海と結び、そして紅海とアデン湾とインド洋を超える。

13。ジブチ基地の開所式は数ヶ月ずれた。同国の物議を呼んだスリランカのハムバントータ港、とある評価によれば一義的なインド洋航路(マラッカ海峡とスエズ運河を繋ぐもの)からほんの22.2km、の取得による。

14。マルコム・デイヴィス、オーストラリア戦略政策研究所の上級分析家はハムバントータ取引ーその取引でスリランカは中国に、北京に対して負う債務数十億ドル強を償還するため、99年間の租借を許したーを「インドを犠牲にしてインド洋上にその影響力を拡張する中国の断固たる戦略」と表現する。

15。「あの港はそれから彼らにインドの影響圏内部への戦略的接近地点(中国は海軍力を派遣できる)を与えるだけでなく、中国にインド経済圏への商品輸出で有利な立場をも与える。だからそれはこの観点で相当数の戦略目標を達成したのだ」とデイヴィスは説く。

16。インド軍高官曰く。セイシェル列島とアサンプション島とはインド海軍の作戦、地域中に航空機と艦船とを回転配備する目論見、の範囲を拡張する上で強力な組み合わせだ。

17。「開発はインド太平洋に於ける中国の成長する戦略的足跡と合致して地政学的前線が拡大していることの明らかな指標だ」とインド海洋財団のキャプテン、ガープリート・クラーナが語った。

18。インドはインド洋で軍国主義中国に包囲されることを恐れるので、ただ我々はこれら核武装した隣国同士が別の軍事的衝突に向かずに済むのを信じるのみだ。前回これが起こったとき、それが1962年の戦争だった。それ故にもう1回の敗北が選択肢でないことを確実にするだろう、セイシェル列島群で必要な準備をインドがしているのだ。(止め)
【完】
***
 米中露印と国際政治の主役が揃った。勿論、我が日本も頑張っているのだが、悲しいことに軍事力の裏付けがない(憲法の制約)。一方ダークホースには伏兵ドイツがいる。ざっとこのあたりが注目先で、お互いの合従連衡が事態を見えにくくする。なるべく即断しないことにしよう。
posted by 三間堀 at 17:39| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする