一連の既報分の追加報告(一部重複に見える部分あり)。
【転載開始】
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)10月30日(火曜日)
通巻第5872号
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パキスタン、IMF救済回避のため中国と再交渉
サウジとは合計60億ドル援助でまとまった模様
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奇跡の逆転を演じてパキスタン新首相となったイムラン・カーンは、先のサウジ訪問に引き続き、11月2日から北京を訪問する。差し迫った問題は、年内に償還期限がくる90億ドルの先延ばし、借り換えである。IMF管理を回避したいためである。
もしIMF管理になると、どうなるかと言えば、中国が投下した620億ドルのCPEC(中国パキスタン経済回廊)プロジェクトは、中断となり、債務は70−80%削減(つまり、中国の対パキスタン債権は、仮に620億ドルで80%削減となれると124億ドル分の権利しかなくなり、残りは放棄することになる。ま、それを狙うのが欧米の禿鷹ファンドだろうが。。)。
中国としても、何としてもIMF救済プログラム入りは回避したい。
パキスタンは償還延長要請に加えCPECプロジェクトのうち、カラチ ー ペシャワール間の鉄道を80億ドルから、縮小して20億ドル規模のものにするなどの提案をすると観測されている。
さきにサウジアラビアを訪問したカーン首相は、30億ドルの債務返済の延長(借り換え)と原油代金30億ドル分の別枠供与を要請し、サウジ側は了解したようだ。
パキスタンに限らず、中国のシルクロートプロジェクトは、財務面で軒並み巨額の損失が報告されている。
中国の輸出保険を担う「SINOSURE」の幹部は、「アジスアベバからジブチへの貨物鉄道建設でも、すでに10億ドルが失われた」と驚くべき報告している(『サウスチャイナ・モーミングポスト』、10月29日)。
これに加えて「殆どのプロジェクトは財務的に不適切であり、最悪の事態を回避するために規模を縮小する必要がある」との見解を出している。
これはエチオピアの首都アジスアベバから、海岸の貿易中継拠点となるジブチまで756キロの電化プロジェクトであり、中国輸出入銀行が33億ドルを融資した。ところが、すでに10億ドルが消え、工事は進まず、先行きは真っ暗。
さらに真っ暗なのは、こうしたプロジェクト金融を保険でカバーする「SINOSURE」社など貿易保険大手である。デフォルトとなると、損失が明らかであり、過去十年だけでも、200億ドルの損失をカバーした。
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【転載終了】
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