2014年04月04日

カザフスタン:ウクライナ危機がアスタナをロシア軌道に固める April 1, 2014


 旧ソ連領中央アジア諸国は持てる資源をちらつかせながら、米露中を競わせ牽制させる作戦をとって来たが、今回のクリミア併合で大きな影響を受けるようだ。カザフスタンについて表記
《骨子》
1。クリミア危機がカザフスタンの長期に亘る、多べクトル的外交政策、中央アジアに於ける露中米の競合する利益を均衡させることを求めて来たもの、に圧力をかけている。ロシアのクリミア併合を強力に後援する中で、カザフスタンの多くの者は大統領ヌルスルタン・ナザルバエフが自身の分離主義的苦況の為に自分を起ちあがらせるかもしれないと心配する。

2。ハーグに於ける3月25日の核安全保障サミットで、ナゼルバエフはロシアの指導者、ウラジミール・プーチン、クリミア土地収奪の設計者に強力な支持を申し出て外交垣根を跳び越した。ナゼルバエフは本質的にウクライナの新指導者を危機を突然発生させたと非難し、「違憲クーデター」がキエフで起ったと言った。亦彼はウクライナに「少数者権利に対する差別」がずっとあったと特筆し、斯くクリミアのロシア人を保護する為に介入したロシアの立場を外交的に庇護した。

3。キエフの怒った高官はナゼルバエフの陳述を「受容出来ない」と呼んだ。カザフスタン外務省の代表が迅速に、ウクライナの反応は「概して情緒で決まり、常識でない」と報告した。

4。その機会が1週間以内のキエフの第二次抗議に刻印した。3月20日、キエフは3月16日のクリミア住民投票のアスタナの認識についてこぼした。それをロシアが半島併合の正当化理由として先行して使ったからだ。3月27日、カザフスタンは住民投票を無効と宣言する国連決議への投票を棄権した。

5。同危機がナゼルバエフの全大国と良好な関係の維持を前提とする「多ベクトル」方式にかなりの歪みを与えている。天然資源の豊富さに沿った同政策がソヴェト後時代の期間、カザフスタンの国際的な姿を持ち上げて来た。しかしながら、ナゼルバエフ最近の声明はカザフスタンを「政治的及び外交的に盲目な盟友」(野党指導者Amirzhan Kosanovの警告)に導いている。

6。「カザフスタンは世界で起っている出来事の評価に於いて独立を基本的に失い、故意または無意識のうちに、クレムリンの追求する外交政策の捕虜になりつつある」とKosanovがEurasiaNet.org. に告げた。

7。心配するのはKosanovたった一人どころじゃない。カザフスタンの親露姿勢が広範な仰天を国内で齎している。クリミアに於けるロシア語話者保護の為に介入するというプーチン教条が結果的にカザフスタンに適用されるかもしれないと批評家が案じる−とはいえ現在想像できない環境にある、アスタナとモスクワとは近い同盟者であり、ロシア語話者の権利が保証されているからだ。北カザフスタンは可成りの規模のロシア人少数民族の本拠だ。

8。カザフスタンとウクライナの類似性は眩いばかりだ。両国ともロシアと長い国境を共有するソヴェト後国家
で、多数のロシア人少数民族を持つ(カザフスタンの場合人口の22%だ)。

9。「カザフスタンの立場は恐怖による信条にさ程決められていない…クリミアの出来事はカザフスタンにもあり得るシナリオだ」アルマティ本拠の分析家Aidos SarymがEurasiaNet.orgに告げた。

10。カザフスタンの報道を横切って飛散した双曲線ヘッドラインが不安を照らし出す。「カザフスタンは明日の占領に脅かされるのか」とアサンディ・タイムズが轟かす。「カザフスタンは他の誰かの戦争に引きずり込まれるのか」と訝るのはアダム・ボル誌だ。「主権国家ウクライナからのクリミアの現実の併合を支持して、アコルダ(大統領府)が自ら国内であり得る分離主義的信条を奨励している」とKosanovは言う。

11。Dosym Satpayev、アルマティ本拠のリスク・アセスメント・グループのシンクタンク部長が、ウクライナを巡るナゼルバエフのロシア支持は彼の見る二つの悪のマシな方を代表するかもしれない、と示唆する。20年を越えて権力にある73歳の大統領にとって、国内不平への恐怖が「分離主義心情がカザフスタン自身にあり得る」という懸念の何者をも圧倒すると見えるからだ。

12。「それが意味するのは、カザフスタン指導部にとって分離主義の脅威という恐怖よりは革命やクーデターの恐怖がより大きいものになった、ということだ」。

13。ナゼルバエフの親クレムリン姿勢に平然として、米大統領バラク・オバマ、英首相デヴィッド・キャメロン、仏大統領フランソア・オランドを含む西側指導者は一線に並んでハーグでナゼルバエフを迎えた。これは、カザフスタンが依然として多ベクトル軌道に正面から戻る多数の外交上小刻みに動く余地を確保している、ことを示唆する。並びにカザフスタンの埋蔵する石油及びガスを見れば、西側指導者はカザフスタンのベテラン指導者が舞台裏演技を演じることが出来、短気なプーチンへの影響を鎮めると希望しているかもしれない。

14。西側感情とキエフの神経過敏に頷いて、アスタナは親露的公表をウクライナ主権遵守の必要に係る声明と混ぜた。Sarymが「口先の均衡行為」と呼ぶものを演じてみせた。

15。核サミットも亦ナゼルバエフにPR機会を与えカザフスタンとウクライナ間の対照を特筆させた、とSatpayevは言い、「カザフスタンの国内政治及び民族間の安定性」を賞揚した。

16。ナゼルバエフは、多ベクトル政策に拘らず、カザフスタンの主たる地政学的同盟国はロシアと考えると、一貫して明らかにして来た。そうした立場の政治を越えて、ぎらつく経済的現実がある。ロシアはカザフスタンの最大の貿易相手で、昨年は176億ドル相当の輸入の36%、58億ドル相当の輸出の7%を占める。貿易収支がロシア有利かもしれないが−カザフスタンにとって決定的なのは−大概の貿易相手が石油を買うのに対して、ロシアは非石油輸出の主要消費国なのだ。

17。カザフスタンは亦関税同盟、2015年からユーラシア経済同盟に拡張される協定に5月に署名される予定のベラルーシとの三か国間自由貿易圏、の加盟を通じてロシアとの経済協力に結びついている。

18。プーチンにとって、ウクライナの西側傾斜が一層大きな政治的重大性を彼のユーラシア同盟ヴィジョンに注入した。ナゼルバエフはユーラシア統合の強力な支援者だ(1994年彼が最初にユーラシア同盟の着想を提案した)−併し,昨今は統合の政治的要素を疑わしく見る。

19。ハーグで、カザフスタンが同盟に持つのは「純粋に実用主義的な経済的利益」だ、と強調するのに彼は苦労した。彼が指摘した通り、それは彼の内陸国家にロシアを通じて国会への関税自由の参入を許すからだ。

20。更に言えば、政治的及び経済的諸要因に加えて、カザフスタンのロシア支持に「心理的要因」のあることを忘れるべきでない、とSarymは提案する。アスタナの政治エリート(ナゼルバエフを含む)の多くがソヴェト時代以来トップの職位を保持して来た。そして彼らの世界観では、「モスクワは世界の中心でありクレムリンは文化的メッカだ」。(止め)
***
 ロシア語話者がいればロシアが必ず併合に及ぶ訳ではあるまい,グルジアの例を見よ。

 西側=正義、ロシア=邪悪は悪しきプロパガンダだ。勿論、逆も成立する。
posted by 三間堀 at 18:55| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
Posted by 株の入門 at 2014年07月14日 09:22
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