2018年10月29日

【巴】米中綱引きの過激化に揉まれるパキスタン 27 October 2018


 「パキスタンは中国におよそ600ドルの負債をかかえ、年内の返済が90億ドルある。誰が見ても返済不可能だから、デフォルトを引き起こすが、となればIMFの救済パケッジにより、財務内容がすべて洗い出され、経済政策、とりわけ金融と財政政策はIMF管理になる。つまりパキスタン経済はIMFが指導する」。ーと「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 平成30年(2018年)10月16日(火曜日)弐が言うパキスタン情勢。表記はそれを米中綱引きと見る、以下つまみ食いしておく。
《骸骨》
1。首相イムラン・カーンが10月10日に発表した。パキスタン政府はIMFから借りねばならなくなった、同国の外貨準備が先月84億ドルに下落したからだ。カン曰く、「友好国」からの金融援助をも求めるだろう。彼が意味したのは中国とサウジアラビアだ。

2。さらに悪化する支払い収支尻危機のさ中、パキスタン政府は推定120億ドルを喉から手が出るほど必要とし、さらなる金融援助を求め中国を見ている。しかしながら、中国と距離を置き法外な提案中国パキスタン経済回廊に随伴するプロジェクトを巻き戻すことは米国からの圧力下にある。

3。米国務長官マイク・ポンピオが効果的にカーン政府へ7月末に警告した。いかなるIMF貸付金もパキスタンの経済的中国依存削減を条件とするだろう、と。「間違ってはいけない。我々はIMFのすることを監視し続けるだろう。IMFの納税されたドルには何ら正当性がないしーそれに随伴するIMF資金の一部たるアメリカ・ドルー中国の債券保有者或いは中国自身を救済しに行くものではない」。

4。CPECは中国のインフラ戦略ー一帯一路(ユーラシア陸塊を連結し同国を孤立化させ包囲する米国の努力に対抗するもの)ーの極め付きな要素だ。ワシントンは米国内増幅する戦争太皷のメディアと中国を即ち諸国を「債務の罠」に誘惑すると問責する国際メディアとを含む全戦線で一帯一路に対する攻撃を累積している。

5。米国からの圧力に直面して、パキスタン政府は金融の重荷を減らし戦略よりも寧ろ経済問題にプロジェクトの焦点を当てる、CPEC条件の「改作」を求めている。来月パキスタン首相として中国に初訪問する準備として、カーンが拘っているのはCPECをインフラから農業、仕事の創出や外国人投資へと強調点を移すことだ。

6。今月初め、シィーク・ラシッド、鉄道大臣曰く。CPECの一部たるパキスタン内鉄道プロジェクトの費用が引き下げられたが、さらに削減せねばならない。主たる鉄道プロジェクトは南部のカラチから同国北部ペシャワールへの1,872kmに及ぶ幹線の大改良だ。

7。「我々は鉄道プロジェクト費用を84億ドルから62億ドルに引き下げた。それを更に42億ドルにまで引き下げるのが私の望みだ」とラシッドが述べた。「私はCPECの最大の支持者だが、同時に鉄道の重荷を極小化したい」。

8。米国を名指しさえしないけれども、王が端的に警告した。「中巴関係に不調和を齎す或いは介入しようと企てるどんな陰謀も郵政にはなるまい」。中国とパキスタンは経済回廊を振興し、貿易を拡張、それに貧困を削減する「全面的な」努力をし続けるべきだ、と彼は宣言した。

9。中国もまた他の戦線でパキスタンとの紐帯強化を求めている。9月、パキスタン陸軍司令官、将軍カマール・ジェイヴド・バイワとの会談で中国主席習近平曰く。「パキスタンは時の試練を経た我々の友好国であり、パキスタン陸軍はこの持続する関係に向けた軸足的役割がある」。彼はパキスタン陸軍を称賛して宣言した、「中国はパキスタンを戦略的パートナーとして支援し続けるだろう」。

10。パキスタンだけが一帯一路プロジェクトの修正を求めている国でない。マレーシアは260億ドルの中国資金プロジェクトを停止或いは解約した。一方ミャンマーはベンガル湾の中国資金港湾プロジェクトの重大な規模縮小を交渉中だ。疑いなく、米国とその同盟国が中国案切り崩しの背景に圧力を行使している。

11。トランプ政権が中国との対決を熾烈化するので、パキスタンのような国々はワシントンと北京との関係を均衡させるのが益々困難だと気付きつつある。この緊張した術策は地政学的緊張と戦争危険の高まりの鋭利化のもう一つの指標だ。(止め)
posted by 三間堀 at 15:23| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【転載】コロンボの政変 宮崎正弘


【転載開始】
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)10月28日(日曜日)
        通巻第5870号 
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 「れっ、こんなことありか?」。コロンボの政変
   ラジャパクサ前大統領が、スリランカ首相に電撃就任
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 スリランカで珍型の政変が起きた。
 2018年10月27日、シリナセ大統領は親米、親インド路線の有力政治家として知られるウィックラマシンハ首相を突如更迭し、前の大統領で親中派として悪名高いラジャパクサを、首相に任命した。
そのうえ、そそくさと就任儀式を執り行った。この模様はテレビ中継され、スリランカ国民ばかりか、インド政界に衝撃をもたらした。

 ラジャパクサ前大統領といえば、スリランカ南方のハンバントタ港を中国に売り渡した張本人である。
中国は99年の租借権を手にいれ、港湾の近代化、工業団地、免税倉庫などを建設中で、付近の飛行場もラジャパクサ空港と命名された。後者の飛行場は閑古鳥、ドバイ、アブダビからの定期便も客数がすくなくて欠航が続く。

 インドならびに西側の軍事専門家は、「中国はハンバントラを軍港にするのだ」と分析した。ラジャパクサ前大統領は、言ってみれば、「腐敗の象徴」であり、かれを批判して現在のセリナセが大統領に当選したのではなかったのか。
 つまり2015年のスリランカ大統領選挙は「借金の罠」に落ちたラジャパクサ前大統領の汚職体質を猛烈に抗議するキャンペーンが基軸となった選挙戦だった。インドが背後で野党を支援したといわれる。

 ラジャパクサ前大統領は、一方で十年にわたったタミルとの内戦を終結させたが、その強硬な武力発動に対して欧米から非難の声があがった。落選後、しばらく沈黙してきたが、周囲に押され政界復帰を狙っていた。

とくにラジャパクサ前大統領にとって、インドとの関連が最重要であり、過去三ヶ月、頻繁にニューデリーに出かけてインド政界へのロビィイングを展開してきたという(『ザ・タイムズ・オブ・インディア』、10月28日)

 この政変劇は、シリセナ大統領をささえる与党が連立政権であり、統一自由人民連合党が、とつじょ連立から離脱したために、議席のバランスが崩れておきた。ラジャパクサ前大統領派の議会工作による。

しかし、「議会が承認するまでわたしは首相の座にある」として、ウィックラマシンハ首相は、27日以来、首相官邸に立て篭もり、ラジャパクサ前大統領の首相就任に抗議している。スリランカ国会は11月5日に開会される。

おりしも、28日、インドのモディ首相が来日する。
      ▽◎◇◎み◇◇▽◎や◇◎◇◇ざ◇◎◇◇き◎◇◇◇
【転載終了】
posted by 三間堀 at 10:54| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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