2018年10月15日

旧聞)【転載】安邦保険、海南航空、大連万達につづく習近平の標的はアリババ 宮崎正弘


 アリババ馬の去就については大きな話題。新中国経済の超特急と見られた企業が絶頂期にオーナー交代とは。これには民間企業にも共産党組織を置くとの忌まわしい習近平の政策が背景にあろう。新時代を築くと見られたアリババの読みは何か。新幹線時代の経済どころか石炭、いや木材燃焼に逆戻りしやしないか。勿論、その時アリババは他国に転出しているだろう。
【転載開始】
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)9月12日(水曜日)
        通巻第5826号  
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 安邦保険、海南航空、大連万達につづく習近平の標的はアリババ
   馬雲に暗雲。危機を感じたがゆえにアリババのトップを辞任へ
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 中国の民間企業の星、若者のアイドルともなった「中国のビル・ゲーツ」=馬雲(英文はジャック・マー)は唐突にアリババのトップの座から降りて、以後は社会奉仕事業に専念したいとした。
 「???」。 

アリババは浙江省杭州に本社があり、従業員が86000人、売り上げは世界で4200億ドルという神業的な急成長企業で、2014年に香港でIPO(新規株式公開)したときは史上空前の250億ドルをかき集めた。この記録はまだ破られていない。

先月、マレーシアからマハティール首相がわざわざ本社を訪問したおりに馬雲自らが、多忙なスケジュールを変更、先約をおしのけて首相の案内役を買って出た。マレーシアは交通渋滞を解決するAI技術をもとめ、中国の代表企業視察となった。

 アリババは中国共産党の「指令」が背景にあったのか、香港の老舗名門の英字紙「サウスチャイナ・モーニングポスト」を買収し、世界のメディアが注目した。
このメディアは香港返還前にマレーシア華僑の郭?年(シャングリラホテル経営)が買収し、その後、世界の新聞王ルパート・マードックが買収し、さらに馬雲が傘下におさめてきた。

これで香港最大の影響力を持つメディアは、中国共産党の色が濃くなると言われたが、馬が経営トップになってからも論調は変わらず、というより行間を読むと、共産党に批判的なことが分かる。

 アリババは11月11日の語呂合わせで独身者の買い物ディなどと企劃したところ、世界最大の消費がおこって、そのデータの強みを改めて業界は悟った。この現象をじっと見ていたのが中国共産党なのである。


 ▲アリババのビッグデータは中国共産党にとっても脅威なのだ

 なぜならアリババが蓄積した個人データは、共産党にとって一大脅威であり、なにはともあれ、このまま民間企業を独自な方向に走らせるわけにはいかない。
ましてアリババも、テンセントも百度も、どちらかと言えば江沢民政権時代に急成長した企業であり、習近平にとっては長らく癪のためだった。

 安邦保険、海南航空、大連万達につづく習近平の標的はアリババだろうとチャイナウォッチャーの間には噂が飛び交う。
安邦の呉小輝はトウ小平の孫娘を後妻としていたにも拘わらず逮捕拘束され、海南はバックが王岐山のはずだが、有利子負債が巨額すぎてヒルトンホテルなどの資産を片っ端から売却し、大連万達も虎の子のテーマパークやホテルを売却している。習近平に睨まれ銀行融資が途絶えたからだ。

 巨大なビッグデータの横取りを企図する中国共産党の動きを肌で感じている馬雲にとって、このあたりでアリババから身を引くのが得策と考慮した可能性が高い。
後継は1111セールを成功させた張勇になる。

この馬雲引退という大事件は、テンセント、百度など中国のベンチャー企業大手に、爆発的な衝撃をもたらした。ところでアリババの最大株主は孫正義である。かれはどうするのか?
      ▽◎◇◎み◇◇▽◎や◇◎◇◇ざ◇◎◇◇き◎◇◇◇
【転載終了】
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旧聞)【転載】中国企業の買収を締め出せ。米の呼びかけに独英仏、豪加墨が合流 宮崎正弘


 中国企業の進出:歓迎→忌避→締め出し。中国の不徳の致すところ、相手国を尊重しないからでないか。
【転載開始】
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)9月15日(土曜日)
        通巻第5830号   <前日発行>
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 中国企業の買収を締め出せ。米の呼びかけに独英仏、豪加墨が合流
  中国の対米投資90%減、中国への直接投資も激減している
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 米国の外国投資監査委員会(UFIUS)は議会決議によりその権限を強化された。
中国系ブロードコムのクアルコムの買収(空前の1170億ドルが提示された)は拒否された。

ZTE(中興通訊)は向こう7年間、米国におけるビジネスが禁止された。HNA(海航集団)の米国企業買収も断念させられたが、最近も「シノIC」による「エクセラ半導体」買収(5000万ドル)などがUFIUSの調査によって「国家安全保障上問題がある」として拒否された。

 米国の中国企業によるハイテク企業買収阻止の流れは、英国、仏蘭西、ドイツに及び、とくに「独中蜜月」といわれて、メルケル政権は「煙台大杯集団」によるクーカ社買収を放置したが、その後、メタル・スプニング社の買収を禁じた。前者は原子力設備、備品などの会社であり、クーカ社はロボット製造企業である。

 このハイテク企業買収による中国の進出を国防上の理由から脅威視する流れは、英仏独ばかりかEU諸国全体、そしてカナダとメキシコへも拡大した。メキシコは米国企業が進出しているためで、メキシコ企業というより、米国系メキシコ籍企業とみたほうが分かりやすい。

 他方、中国の対米投資は90%減であり、外国からの中国への直接投資も激減している。2016年に1961億ドルを記録したのを頂点に、17年は1246億ドルとなって、36%の激減ぶりを示した。
  ▽◎◇◎み◇◇▽◎や◇◎◇◇ざ◇◎◇◇き◎◇◇◇
【転載終了】
posted by 三間堀 at 05:12| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

旧聞)【転載】中国とパキスタンの「友誼」関係は変化。緊張状況にある 宮崎正弘


 中国の代理人かと思いきや、時の流れは関係不変を許さぬようだ。パキスタンに限らず親中国の地図が塗り変わる。
【転載開始】
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)9月17日(月曜、祝日)
        通巻第5833号   
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 中国とパキスタンの「友誼」関係は変化。緊張状況にある
  王毅外相のパキスタン訪問直後、パキスタン陸軍大将が北京を訪問
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 このところ、パキスタンへの出入りが激しい。ポンペオ国務長官は、中国主導のシルクロード、すなわちCPEC(中国パキスタン経済回廊)に対して中国が620億ドルもの巨費を注ぎ込んだ結果、西端のグアダル港は43年間、中国が租借することになった経過を踏まえ、「IMFの救済は難しい」と述べた。直前  にトランプ大統領はパキスタンへの援助を中断した。

 ポンペオのイスラマバード訪問の翌日、中国外相の王毅がイスラマバードを訪問し、イスマン・カーン首相に真意を問いただし、シルクロードプロジェクト継続の意思を確認したという。

 カーン政権の誕生の後ろ盾はパキスタン軍である。
 その軍の事実上のトップはバジワ陸軍大将である。そのバジワ将軍が9月16日、北京を訪問したのだ。
カーン新政権を背後で操る立場にある陸軍大将の発言には重みがあり、会談内容は公にされていないが、マハティール同様に、借金の返済が覚束ないことは、パキスタン経済の将来に暗雲を呼ぶ。収支バランスの悪化はパキスタン通貨の暴落を招く。つまりパキスタンの安全保障に直結する問題だとする認識を表明したという。

 過度の中国傾斜はシャリフ前政権であり、パキスタン国民が中国を快く思っているわけではない。
そのうえ、パキスタン財界は、商都カラチが中心であり、およそ20のファミリーが銀行経営や物流を握っていてパキスタン経済を牛耳るとされる。

カラチ財界は、ハク政権(ソ連の謀略で暗殺された)、ムシャラフ政権(陸軍のグーでターでシャリフ政権を打倒し、米国と協調関係を結んだ)という軍事政権を通じて、米国とビジネス関係を深めることで成長した。
 このカラチ財界も、カーン政権の後ろ盾になると想定されており、中国はこうした動きを神経質に捉え直したため、両国は緊張した状況に陥った。


 ▲CPECなんぞより、水資源確保のダム建設を急げ、とカラチ財界

 カラチはパキスタン最大の都市であり、アラブ諸国の進出が夥しい。国際金融都市でもある。
しかしカラチ市政最大の悩みは、じつは水不足である。
1947年の水供給に比較すると、カラチの水源は6分の1に激減しており、シルクロードなんぞよりダム、浄水場建設が急がれるべきだというのがカラチの意見である。


 このため9月16日にカーン首相は日帰りでカラチを訪問し、市長などから意見を聞いた。「ダムが必要なことは分かっている」としたうえでカーン首相は「中国は8万4000ケ所のダムをもち、うち5000は大規模なダムである。インドでも5000のダムがある。わがパキススタンにダムが不足していることは明らかだが、予算をダム建設に割けるだけの余裕がない」とした(パキスタンの英字紙『ドーン』、9月17日)。

    ▽◎◇◎み◇◇▽◎や◇◎◇◇ざ◇◎◇◇き◎◇◇◇
【転載終了】
posted by 三間堀 at 04:59| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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