大ロシアを中心にユーラシア大陸の東西を眺めると、その類似/対称に驚かされる(詳しくは中川八洋『地政学の論理』p303の地図を参照)。その類比をあげればー
A)欧州
英国(日本)、オランダ・ベルギー(朝鮮半島)、ドイツ(支那)、ノルウエー(台湾)、フィンランド(チベット)、ポーランドほか東欧(満州)、バルト三国(外蒙古)、トルコ(樺太)、ギリシャ(国後・択捉島)
B)東方
外蒙古(バルト三国)、チベット(フィンランド)、支那(ドイツ)、満州(東欧)、樺太(トルコ)、日本(英国)、朝鮮(オランダ・ベルギー)、台湾(ノルウエー)
ハートランド・ロシアにとっては東西両翼を伸ばす(膨張して併呑する/傘下に置く)方向性だ。そして最終的には世界島を狙う。リムランドを手に入れランド・パワーにシー・パワーを合体させる。第二次世界大戦後、ルーズベルトの愚昧(ヤルタ協定)のお陰でソ連・スターリンがひとりほくそ笑んだ。それに気付いたチャーチルが鉄のカーテンで膨張を抑え込んだが、アジアでは共産ドミノが快進撃だった。
さて表記は<かつてソ連が「SS-20中距離弾道弾」を東欧に配備して西ドイツに脅威を与えたとき、西ドイツは米国に核弾頭搭載の「パーシングU・ミサイル」を開発配備して、SS-20の脅威を相殺させるよう要求した。
欧州配備の無意味を悟ったソ連は、大胆にもそのSS-20を極東に配備する暴挙に出た。中国ばかりでなく日本にとっても大きな脅威となった>(森 清勇)顛末のことだ。
ソ連/ロシアはICBMよりもリムランドに配備された中距離弾道ミサイル(それでも各地に配備すればロシア全域をカバー)を恐れ、膨張作戦を断念した。ソ連解体時には言われもしないのに東欧から撤退した。そして今、トルコや中東で見るようにハートランド露は翼を広げる時期だ。我が日本の北方領土、クリル諸島にミサイルを配備して北海道をその射程内に入れた。日本が何もしない、だが「北方領土を日本に返還したら、ここに米国がミサイル基地を作るだろう」(プーチン大統領)と見越している。
これに対抗するにはかつての西ドイツの範に習いたいところだが、今のままの日本ではできない。米国にすがりついてでも対抗ミサイルを配備させるべきなのだ。それは中国に対しても同じことだ。北朝鮮ばかりが脅威ではない、中露もそうなのだ。恰も脅威が存在しないかのような情報隠ぺいと議論の封印💤、お花畑に飛ぶのは蝶々だけでない、ミサイルも飛んでくるのだ。