2017年04月16日

【米中・鮮】米国と中国が仕切る「朝鮮半島の統一・中立化」は実現するのか 鈴置 高史 2017年4月6日


 私の夢想は現代版「高句麗国」復活で、朝鮮半島のみならず中国の東北三省を含むもの、当然に米中露と一定の距離を置いた「中立化」を含む。朝鮮族だけでなく他の民族も含むから、旧「満州国」に近いかもしれない。滅茶苦茶な妄想に聞こえるだろうが、歴史的には前例が沢山ある話ではある。こんな話を蒸し返すのは表記(原題:「米韓同盟」も「中朝」も賞味期限切れだ)を読んだ印象からだ。以下つまみ食い。
《摘要》
1。「統一による非核化」という点で沈志華教授(「北朝鮮の核問題は小手先では解決しない。『統一』という大技を発動すべきだ。それこそが中国の利益になる」)と全く同じですが、より明確に「中立化」をうち出しています。 原文は以下です。
 The only way to stop North Korea is by guaranteeing the peninsula will eventually be united--and non- aligned.

なぜ今、こうした声が米中であがり始めたのでしょうか。
2。北朝鮮の核武装が時間の問題となったからです。 ただ、平和裏に解決するには中国の強力な経済制裁しか手がない。 けれど、それは北東アジアの安保環境の激変につながる。 だからこそ、スウェイン・シニアフェローは次のように強調したのです。

3。スウェイン・シニアフェローは「統一・中立化構想」を「future Korea」と名付け、これを協議する米中双方の「取引条件」にも具体的に言及しています。 以下です。
米国
米朝平和協定(不可侵協定)の締結
・核弾頭の増産中断
・保有核兵器の全廃

4。成均館(ソンギュングァン)大学のキム・テヒョ教授は朝鮮日報に寄稿した「米国は北朝鮮より韓国を懸念する」(4月3日、韓国語版)で、中国にすれば、韓国の次期大統領さえちゃんと選ばれれば問題は解決する。 あえて米国と韓米関係で争う必要はない。

5。仮想敵の異なる国同士の同盟は極めて不安定です。 どうせ長続きしない同盟なら、それを捨てて見返りに中国から「強力な対北制裁」を引き出そうと米国が考えても不思議ではありません。

6。半島の構図は合わせ鏡です。 中朝も共通の敵を失いました。 中国の仮想敵は米国と日本であって韓国ではありません。

7。半面、北朝鮮の主敵は韓国であって米国ではありません。 できれば米国や日本とは関係を改善し「国境を接する巨人」である中国を牽制したいのです。

8。朝鮮人は、北も南も感情的に衝動的な人たちです。 私たちは、この衝動と闘争的態度が私たち両国を困らせるような事件を引き起こさないよう影響力を行使することが大切です。 朝鮮半島を我々両国政府の争いの場とするのは愚かでばかげたことです。 一度起こってしまいましたが、二度と起こしてはなりません。 首相と私が協力すればそれを防ぐことができると思います。(『ニクソン訪中機密会談録』)

9。日本は米中が突然に談合し、朝鮮半島を投げ捨てる日に備える必要があります。 それは「北の核」が平和的に解決される時はもちろん、力で解決される場合にも「後始末」として起こり得るのです。(止め)
***
 上記には含めなかったが、
<朝鮮半島に関しては「極めて仲がいい」のです。米中には「朝鮮民族の内輪もめに引き込まれ、多大の人的損害を出した朝鮮戦争の失敗を2度と繰り返したくない」との共通認識がある。
ーは重要な指摘かもしれない。「米韓」「中朝」の2つの同盟が「惰性で続いている」なら然りだろう。

 遠回りして、広東省が何故「改革開放」の実験地区に選ばれたか。先ず北京から遠い、失敗しても累が及びにくい、当時北京の言うことを聞かない反抗児だったから敢えてリスクを負わせた。香港を代表に広東人は北京人を田舎者と考え、普通話普及に消極的だった。今でも広東語を捨てる気はないが、生活の便宜上、普通話に取り組まざるを得なくなった。広東地区は中国最大の生産力を持ち、経済的に国際的活躍の場も広い。軍隊も中国最強かもしれない。何より広東は中国革命の揺籃地だ。何も現在の中華人民共和国の版図にこだわる必要はない。適正統治規模、すなわち人口規模1〜2億の国になるのが、共産党の呪縛から離れる最善策だ。一旦、分国後連邦化してもよいのだ。

 折しも中国経済の構造転換で期待されるのは、(共産党不要の)民間サービス部門、深圳はその核都市でもある。軍事力、経済力孰れも中国最高水準にあるココが革命の狼煙をあげれば、その伝播力は凄まじいだろう。かつての軍閥化の危険はあるものの、易姓革命を担う実力のある地方だ。

 中国の脅威を論ずるなら、中国分割論は避けて通れないと私は思う。
posted by 三間堀 at 15:46| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【越・日】越日紐帯の戦略的重大性 ISEAS


 現首相が中国べったりと国民に批判される程であろうと、一般ヴェトナム人は大の日本人好きだ。中国+1でヴェトナムに進出する日系企業も後を絶たない。日本経済にとっても大事な国だ。幸い国同士の関係は良好で、今の所敵対関係に入るとは考えづらい。勿論、アジアに残る共産国の一つというカントリー・リスクは残るが。さて表記、いつものように要約部分だけをつまみ食い。
《摘要》
1。越日関係は長く経済的利益により駆動されてきたが、関係の尚更重要なもう一本の柱として最近出現した。

2。ヴェトナム海上能力構築への日本の援助が両国にとって優先事項となった、地域海上地形の妨害的移行について共有する懸念の反映だ。

3。日本との防衛従事を強化するヴェトナムの望みは第一義的に南シナ海に於ける中国拡張への対抗均衡を目的とする。これが、日本の防衛姿勢を「正常化」し、地域諸国との防衛紐帯を緊密化することで米国への東京の安全保障依存を削減する安倍政権の計画、とぴったり当てはまる。

4。二カ国間戦略協力は米軍の地域関与のあり得る凪を補う「規律ある安全保障ネットワーク」の創出に寄与し得る。

5。二カ国間戦略協力への挑戦はヴェトナムの非連携政策と日本の憲法上の制約を含むが、中国圧力の所為のヴェトナムの戦略的精神の漸進的変化と首相安倍晋三の20121年までの権力滞留が意味するのは、現在の二カ国間戦略的軌跡が恐らく来る数ヶ年維持されるだろうことだ。(止め)
***
 詳しく知りたい向きは表記原文に当たられたい。
posted by 三間堀 at 14:32| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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