表記は大紀元の行った北朝鮮問題をめぐる米中首脳会談(1)(2)に関する会談前のインタビュー結果だ。以下つまみ食い。
《摘要》
1。北朝鮮の金正恩・労働党委員長の異母兄、金正男氏が2月13日マレーシアで殺害された後、中国共産党政権(以下、中共)は18日に北朝鮮からの石炭の輸入を全面停止すると発表した。しかし、2月の石炭輸入量は前年同月比で43%増えた。また米VOAの報道によると、中国税関総署の統計では、2月北朝鮮からの輸入品目には、国連安全保障理事会が北朝鮮から輸入を全面禁止した金や銀、銅、亜鉛があった。その輸入規模は65万ドルに上った。
2。自由と民主への敵視、欧米諸国に対してどのようにあしらうのかとの面において、中共と北朝鮮の認識は完全に一致している。
国際社会において中共がやりたくないことを全部北朝鮮にやらせるのだ。
3。米国務長官のレックス・ティラーソン氏は3月中旬、韓国、日本と中国を訪問した前の6日に、北朝鮮は日本に向けて4発の弾道ミサイルを発射した。... 米政府は、北朝鮮のミサイルは直接日本と韓国に駐在する米軍の安全を脅かしていると認識し、ティラーソン長官が訪問で、韓国と日本との軍事同盟関係を強化する狙いだった。
4。また17日、訪問先の韓国での記者会見において、長官は北朝鮮の核脅威が、米政府が行動が必要だと考える水準に引きあげた場合、武力行使の選択肢が残っていると発言した。
5。トランプ大統領は米中首脳会談後、トランプ政権が北朝鮮に先制攻撃に踏み切ることができるかどうかによって、朝鮮半島情勢が大きく変化するだろう。
6。しかし、新政権が発足した後、トランプ氏の対中姿勢はソフトになり、台湾問題に関して中国当局の「一つの中国」を尊重すると表明したほか、為替に関してまだ中国を「為替操作国」に認定していない。
7。現在トランプ政権の内部では、トランプ氏の娘婿のジャレッド・クシュナー氏をはじめとする中国寄り派と、スティーブ・バノン大統領首席戦略官をはじめとする対中強硬派がいる。…トランプ氏のブレーンが最も危惧するのは、米国が北朝鮮に先制攻撃をすれば、中国側が必ず出兵し、米中両国間で起きた戦争のようなことが再び起こるということだろう。
8。トランプ大統領は米中首脳会談で、北朝鮮への先制攻撃に関して中共に対して出兵しないよう交渉する場合、中国との貿易・為替問題や台湾などに関して一定の譲歩を示す可能性が高い。
9。習近平政権あるいは中共党内最高指導部の他の高官が、その米側の提案を受け入れず、北朝鮮が米国の攻撃を受けた後に中共も出兵すると押し通すと、過去の朝鮮戦争のように朝鮮半島において再び戦争が起きるだろう。(止め)
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北朝鮮は中国の手駒だ、都合のいいように中国が危機を演出してきた、という説はこれまでもあったが、中国の影響力を過大評価でないか。トランプ政権内ブレーンの色分けも常識的だが、元中国人識者が同様の見方であるのを確認できる。
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そこで新たに問題となるのがバノンの国家安全保障会議外しだ。ソフト路線に転換する布石に見える。あれだけ脅しをかけ、米中会談中にシリア空襲を実施して中露を驚愕させ畏怖させる目論見だった筈だが、ティラーソン曰く政策は不変、攻撃は今回のみ(これは余分且つ無益有害)で効果減殺。結果的に「ブラフだった」との印象を生み出したのでないか。