2016年07月31日

【日】中国爆買い終了で見えた「恩恵に浴したのはごく一部」 姫田小夏  2016年7月29日 


 新橋駅前に、昨年4月、ヤマダ電機が開店した免税店「LABIアメニティ&TAXFREE」は最早姿を消した。今年1月空港型市中免税店「ジャパン デューティー フリー 銀座」(@三越銀座店8階)、3月末ロッテ経営の空港型免税店(@数寄屋橋東急プラザ銀座内)が開店したが「いつ行っても人がいない」(業界の共通認識)と姫田小夏は言う(表記)。

 結局「爆買いバブル」は円安と転売がもたらしたものだったと姫田は断定する。円安に終わりが来て、転売メリットが消失し、加えて中国側の外貨持ち出し規制強化、決定打となったのが中国税関の検査厳格化だ。

潤っているのは100社程度
1。家電量販店、百貨店、スーパー、ドラッグ、アウトレット、ショッピングモール、免税店が爆買い中国人取り込みに殺到した。

2。「銀聯カード決済の導入」、「中国語スタッフの採用」、「中国人客向けの特別サービス」は金払いのいい中国人客を引き込むための“必須3要素”。中でも銀聯カード決済の導入は中国人客がもたらす莫大な消費と切っても切れない“神器”だ。

3。しかしながら、事情通によれば、「銀聯カード決済で中国人客の消費にあやかっているのは、多く見積もっても100社程度でしょう」「儲かると当て込んだものほど成功例が出にくい」。(止め)

***
 百貨店業界がほぼ惨敗だったのは決算で既に明らかだ。大量の中国人来店で店のイメージが壊れたと既存上顧客(高級な買い物ムードを楽しむマダム族)の百貨店離れが進行、なんと基盤となる売り上げが減少したから、爆買いシフトが裏目に出たのだ。

 爆買いの破片が日本人顧客を傷つけ全体売り上げを下げる要因になった。中国人の客数は増えても安物買いしかしなければ、マダム族ならずとも客離れがさらに進行するかもしれない。まだ終始尻はプラスかもしれないが、インバウンド需要の取り込みは慎重にせざるを得まい。
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【泰】国民投票前最後の世論調査:48.4%が憲法草案を承認 TPBS July 30, 201


 軍政の定めた国民投票法では投票日1週間以内の世論誘導に繋がる世論調査発表が禁じられている。従って、表記のようにこれが事前最後の世論調査発表になる。聞き取り方式で行われたバンコク世論調査の結果は、承認が48.4%、反対が僅か7.7%、棄権が8.5% 、未定が35.4%だった。特に身元が明確になる聞き取り方式だけに、軍政の言論弾圧、後顧の憂を恐れて面従腹背、或いは態度の曖昧化をしたとも考えられるから、鵜呑みにする必要はないと考えたいが、先ずは記事を紹介しよう。
《骨子》
1。調査は7月26−29日の間、全国2810名へのインタビューで実施された。

2。本日の発表は、国民投票法が8月7日の国民投票日に先立つ7日以内の世論調査を禁じているので、最後になるかもしれない。

3。8月7日の投票に行く積りかの質問には、87.8%が「はい」と答え、前回調査比2%増だった。

4。憲法草案承認についての質問には、48.4%が承認と答え、前回比3.7%増だった。

5。たった7.7%が不承認と答え、前回比2.1% 減だった。そして8.5%が棄権だった。方々35.4%が未定と答えた。

6。国民投票日中の悶着発生に関連する別の質問では、75.4%が心配せず、22%が心配、2.6%が分からないだった。(止め)
***
 なにせ銃口や弾圧が控え、自由な言論が望み薄な状況の中だけに、正直に答えるかどうかという根本疑問がある。また回答者に軍政支持派を意図的に多数組み入れて世論誘導を図らないとも限らない。公正中立かどうか疑問があるのだ。

 別の世論調査で国民は国民投票の対象たる憲法草案の中身を知らないのが大多数との結果がある(そりゃあそうだ、軍政が議論を封じてきたのだから)。

 クーのお膳立て、バンコク封鎖デモ、クー/軍政支持派はバンコク及び南タイ中心にざっと人口の3割と言われるから、回答者の5割近くが賛成と回答したのは、新憲法成立後5年間は実質軍政が続くなど夢にも知らぬケセラセラ派が「面倒臭い賛成してしまえ」に合流したのかもしれない。

 民主主義の運営は神業に近い。自分の身辺にしか興味を持たない大多数の人々に問題を提示し、解説し、議論を進める中でしか、判断能力を持ち得ぬからだ。為政者の勝手を許さぬには、選挙が有効だ。利害関係人の単なる「代理人」になる政治家が少なくないが、民主主義はそれに反対する「代理人」を同時に選出するからだ。相対立する利害の調整を暴力でなく議論を通じて妥協点を探す、此処に議会制民主主義の良さがある。

 万一、タイ人が今回の憲法草案を国民投票で承認するなら、動機はなんであれ、民主主義、いやそれより前に「法の支配」を知らぬ政治的に未熟な国民だということになるだろう。心ある人々がアパシーになるか、考え詰めた挙句の行動を取るか。現実には政党政治を否定されることになる政治家も同断だ。権力から実質阻害された政党政治家の権威は地に落ち、名誉すら与えられないかもしれない(彼らを頼りにできないのだから)。そして我が世の春を謳歌するのは軍人勢力だけでなく、実は矢面に立たない公務員・官僚かもしれない。

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めも)殆ど報道されない日銀追加緩和に含まれる「企業・金融機関の外貨資金調達環境の安定のための措置」 東洋経済 2016年7月29日


 ETFの買入れ額をほぼ倍増(3.3兆円→6兆円)すると報道されたが、「株価を目標にしているとの誤ったメッセージになる」(木内委員)との反対票が投じられたのは当然のことだ。ここで注意すべきはマネタリー・ベースの増枠(現行80兆円)がなかった、つまりETFを買い増す分国債購入を減らすことになる、と表記の筆者近藤 駿介は指摘する。そしてそれは「国債の買入れによるマネタリーベースの増額が限界に達したこと、国債の買入れ額を減らしても金融緩和効果は変わらないというメッセージ」だと言う。即ち、これまでの緩和策の限界(失敗?)を認めることだ。

 この記事で私が注目したのは「企業・金融機関の外貨資金調達環境の安定のための措置」だ。国内の借り入れ需要逼塞で各銀行とも国際シフトを布く中、今年に入ってドルの調達レートが上昇(ドルが外貨の国は同様)し、加えてドル流動性確保に困難(ドル不足)が増したと聞いていたからだ。
<「企業の海外展開を支援するため、最長4年の米ドル資金を金融機関経由する制度」の総枠が現行の120億ドルから240億ドルへと倍増された。
これは日本の企業や投資家がベーシススワップを利用して外貨を調達する際の上乗せ金利が上がってきている(ドル調達コストが上昇している)ことに対応した措置だ。この措置によって、国内企業や投資家のドル調達コストは低下する可能性が高い。しかしそれは海外投資家からみれば、円の調達コストが上昇するということでもある。(止め)

だがその反射効果はー
<今回国内企業・投資家の米ドル調達コストを下げるための措置によって海外投資家の円調達コストが上昇し、海外投資家による国債や日本株への投資意欲は衰える可能性があることには注意が必要だ。これは日銀のETF買入れ額増額による効果を打ち消すものになるからだ。(止め)

 表記の筆者は「苦し紛れの悪手」と評する。「日銀は『異次元の相場介入』の領域に足を踏み入れた」からだ。私はこれに異論があり、日銀購入のETFが上場企業7割の大株主になった事実を提示したい。異次元なんとかはピーター・パン願望にすぎず、幾ら飛べると思っても実際は窓から空へでなく、現実という地面に墜落してとおくに死んでいるのだ。
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めも)ドイツで凶悪事件が相次ぐ 日経ビジネス 2016年7月28日


 フランス同様ドイツの治安が震撼している。EUの大黒柱2本が崩れそうだ。元はと言えば過去の植民地主義或いは帝国主義のツケだが、シリア難民に代表される最近の介入戦争分が加わった。表記は凶悪事件を手掛かりに難民受け入れ問題、メルケル首相の政治生命断絶の恐れに言及する。事実関係を中心につまみ食い。
《摘要》
1。立て続けに起きた凶悪事件
7月18日 ヴュルツブルグ近郊での難民による列車乗客傷害事件
7月22日 ミュンヘン市のショッピングモールでの拳銃乱射
7月24日 バーデン・ヴュルテムベルグ州・ロイトリンゲンでの難民による刃物殺傷事件
7月24日 バイエルン州・フランケン・アンズバッハでの難民自爆テロ
ーこれほどの頻度で事件が連続発生した例は過去になく、異常とも言える事態だ。

2。難民問題ー事件の背景か
・2015年夏以来、中東・北アフリカから受け入れた難民は100万人にのぼる。一方で、ドイツに流入した難民の社会への融合は思うように進んでいない。

3。与党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)のメルケル批判
・党として何度も、彼女に方針転換を促している。
・CSUは連邦最高裁に提訴ー難民流入に対し連邦として国境警備もおこなわず、貧しく生活保護を受けるドイツ人の食糧まで、難民に回すことは、ドイツの基本法(憲法)に反する。(止め)
***
 実質EU盟主たるドイツが国際法の難民救済を捨てるわけに行かないのは、それがシェンゲン協定(国境なき人の移動)破棄に繋がるからだろう(実際はいくつかの国で既に国境管理が強化された)。英国国民投票の余波でEU離脱の動きがEU内部に広がっており、下手をすればEU解体になるかもしれない。

 英国でもそうだが、難民問題が国の基本的あり方を変える力を持つのが明証されたのだ。日本でも北朝鮮問題は単なる軍事危機でなく、北朝鮮国の崩壊→大量の難民発生→日本を含む周辺国への流入こそ大問題なのだ(本ブログで既報)。
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2016年07月30日

めも)中国:南シナ海に基地もリゾートも 北村 淳 2016.7.28


 日本では尖閣諸島・東シナ海への関心が当事国として当然に高かろうが、以前から指摘しているように中国の核心的利益は「南シナ海」で、世界の発火点だ。阿部 純一が述べたように「東シナ海での領海侵犯は南シナ海から注意をそらせるため」を押さえておきたい。「7月12日、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が、中国が主張している南シナ海における歴史的権益は国際法的には認められないという裁定を下した」後、中国がどう動こうとしているのか。JBPに掲載された表記からつまみ食いしておく。
《摘要》
1。戦闘空中パトロールを開始
 ・空軍の新鋭爆撃機「H-6K」がスカボロー礁上空を飛行。
 ・スカボロー礁:ルソン島沿岸から220キロメートル沖合(フィリピンの排他的経済水域内)、中国本土沿岸からは900キロメートル以上離れており、中国軍用機の発着が可能な西沙諸島永興島(ウッディー島)からは600キロメートルほど東南に位置している。

2。南シナ海で実質的なADIZを設定準備
 ・スカボロー礁上空をパトロールしたH-6Kは、中国空軍並びに中国海軍が長らく使用しているH-6型爆撃機の最新バージョンだ。強力なエンジンが搭載され、各種性能も向上し、対艦攻撃用ならびに対地攻撃用の新鋭巡航ミサイルも積載可能である。
 ・中国当局によると、今後、人民解放軍は継続的に南シナ海で空中パトロールを実施し、H-6K爆撃機のみならず戦闘機、偵察機、そして空中給油機など各種空軍機をパトロールに投入するという。実際に、南シナ海上空では戦闘機による実弾射撃訓練なども開始された。

3。海南島のリゾート開発会社が南シナ海クルーズを計画
 ・中国は南シナ海の軍事的支配を推し進めるために、軍事力の誇示と平行して非軍事的施設の建設にも力を入れている。
 ・近い将来には、世界各国からの多数の観光客で賑わう西沙諸島や南沙諸島のリゾート施設と隣接して、人民解放軍の軍事拠点が南シナ海に睨みを効かすことになるのだ。(止め)
***
 軍そのものでない「グレーゾーン」狙いの活動(「サラミ戦術」)で実効支配を積み上げるのが中国の作戦だが、軍用機がパトロールし、しかもそれは巡航ミサイルの搭載可能となれば、グレーから一歩踏み出したのでないか。次第に米中どちらが先に手を出すか煮詰まりつつあるのでないか。尤も米国は大統領選挙が控え、オバマは決断しまいから、特にネオコンおばさんのヒラリーが選挙戦に有利と読めば、小さな局地戦位は仕掛けるかもしれない(国を挙げての大戦争にはなるまいが)。(止め)
 
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2016年07月28日

【葡】最初はイタリア、今はポルトガルの銀行が「想定外に」納税者ベイル・アウトを必要に Tyler Durden Jul 25, 2016


 昨年12月30日、ポルトガルのノボ・バンコ(Novo Banco)の債権者たちが非常に不愉快な2015年へのお別れプレゼントを受け取った。ベイル・インだ。それが彼らの債券を単に恥ずかしいだけの額面から辛うじて無価値にならない所までの粉砕に送った。ーこう説き始める表記をちょっとだけつまみ食い。
20151230_NOVBNC.jpg
《摘要》
1。記憶喚起として。ノボ・バンコは2014年8月に国家によりベイル・アウトされねばならなかったBanco Espirito Santoの灰燼から育てられた「良い」銀行だった。着想はベイル・アウト費用支払いのためノボ・バンコを売ることだったが、中国市場の混乱(少なくとも潜在的な入札者の2つが中国のものだった)並びに既に帳簿上上昇した不良債権水準を所与としてこの「良い」銀行が事実上もっと資本を必要とするかどうかについての不確実性のさ中入札過程が結果的に仕損じた。

2。それから昨年11月欧州中央銀行がノボに、同銀行が当初言った資産売却から来るだろう新規資本で14億ユーロ強を調達する必要があるだろう、と告げた。1ヶ月をちょっと超えた後、ポルトガル中央銀行が本質的にまさに断念した。12月29日、中国の超高層鬼城のように廃棄の予定されるBanco Espirito Santoにノボ・バンコの上級手形20億ユーロを戻し移すだろう、と同行が発表した。換言すれば、ノボ・バンコは本質的に債券20億ユーロが無効かつ無益と宣言することで14億ユーロの穴を埋めたのだ。

3。多分。さもなければ多分、我々が最初の「不良銀行の自乗」になるだろうーイタリアが既に繰り返しをベイル・アウトしてきた銀行業部門を復してもイタリアがまさにベイル・アウトしようとしていることを考えれば、殆ど驚きでないかもしれない。

4。ポルトガルと残りのヨーロッパにとり憑いているのは単にノヴァ・バンコの悲劇的な亡霊だけじゃない。リスボンとEU当局が国有Caixa Geral de Depósitos、ポルトガル最大の銀行の再資本化計画をめぐって厳しい交渉で缶詰だ。約20億ユーロから50億ユーロの範囲で資本必要額査定で衝突している。ポルトガル銀行とリスボンの生後8ヶ月の「反財政緊縮」政府はまた不良債務及び問題資産にある300億ユーロ超に対処する「システム的解決策を要求中で、問題のあるEU諸銀行の公的ベイル・アウトを求める他の要求につけ加わる。

5。「一部の銀行は大きな資本注入の必要がある」とアントニオ・ガルシアパスクアル、バークレーの主任ヨーロッパ・エコノミストが言う。「これが意味するのは、ノボ・バンコ売却の実質的損失が何であれ、国家により賄われねばならないかもしれないということだ。それを吸収するポルトガルの銀行の収容能力がかなり限定的だからだ」。そしてアントニオが「国家sovereign」と言うとき、彼は納税者を意味する。(止め)
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旧聞)【伊】イタリア銀行溶解からの汚染を非常に恐れるのか誰か:仏独の銀行 Don Quijones July 10, 2016


 イタリアの銀行破綻で影響を受けるのはどこの国か(表記)、金融取引の網の目は対岸の火事で済まさない。
《骨子》
1。イタリア銀行業危機が全く突然にヨーロッパ最大の実存的脅威になった理由が汚染だ。ギリシャの手に負えない諸問題が視界から消え、気にかからない。Brexitは瞬間的に投資家やブローカーを怯えさせた。しかしイタリア銀行業の苦境は投資家をなぎ倒し、ヨーロッパに於ける超国家的国家建設の60年超をやり直させる潜在力を持つ。

2。最後の数日間で納税者資金負担の国家介入、ヨーロッパが2016年1月1日に施行した新ベイルイン規則による歴史の肛門に委託されたと想定される実践への呼びかけが増大してきた。新規制の背後の理念は単純だった。債権保有者がベイル・アウトされる一方で、納税者が決して再びヨーロッパ銀行倒産の把手を排他的に握る羽目にさせないことだ。しかし、新規制施行前と雖、彼らはまさに壊れようとしており、或いは少なくとも全ての認知を超えたところに掛かっている。

3。抜け穴は既に、イタリアで3番目に大きい公開取引銀行モンテ・ディ・パーシュを下支えするため銀行の債権保有者及び債権者全体を放置したままにイタリア政府及びヨーロッパ当局にヨーロッパ納税者急襲を許すだろう、規則の中に発見されている。数日前、ロイターズが報じた。

4。1月以来施行されている規則は、ストレステストに落第し、国内経済の「深刻な妨害」の故に市場で資本調達できない銀行の権益を国家が直接獲得することを許す。おお、そしてどんな銀行も、9つの銀行を含む相当数の銀行が2014年ストレス・テストに落第した後、欧州中央銀行の2016年ストレス・テストを免れたり或いは落第することが公式に許されない。明瞭に金融序列のトップにある者ー銀行とその債券保有者ーは別の市場溶解、多くの面で彼らが早めたものの災厄的な結果からもう一度保護される。

5。イタリアでは、一部税法典の器壁のお陰で、2000億ユーロ強の銀行債券が小口投資家に保有され、エコノミスト誌が指摘するように、混合物に余分な政治的次元を加える。即ち、ベイル・イン規則がイタリアで厳格に適用されれば、貯蓄者の叫びが信頼を損ない、イタリアの経済的悶着を単一通貨の責とするグループ、五つ星運動にドアを力強く開けたままにする双方となるだろう。

6。だがそれはヨーロッパの政策立案者と中央銀行家を非常に懸念させてきた直接的な汚染効果だ。汚染がユーロ圏では特に鋭利な問題だ。大部分ヨーロッパ最大の諸銀行(無料の資金を際限なく供給することで)と債券市場(ヨーロッパの国債を事実上リスクなしにするため「なんでもやる」ことで)双方を下支えする欧州中央銀行の疲れを知らぬ努力のお陰で、国債と銀行間に実在する所謂「終末環“doom loop”」の所為だ。

7。結果として、諸銀行は公式にゼロ・リスクで政府債券を単純に買うことで、きちんとしたイザヤを稼ぐことができ続けてきた。意図したかどうか、別の結果は政府と銀行間の相互依存という非常に危険な関係を生み出してきた。銀行が重度に政府債券に投資するとき、彼らは政府の良好な実績に依存するようになる。だがそれは所与ではない、特にユーロ圏に於いては。他方、政府は債務を追求し続けるため銀行に依存する。それはこの瞬間所与だが。しかしながら、孰れか一方が弱まれば、結果は双方にとって悲惨たり得る。

8。或る国債のリスクなし地位を取り除くことで終末環に、イタリアとスペインの政治家及び銀行家の辛うじて隠している恐怖を終わりにしようとする、ドイツ、オランダ及びフィンランドといった財政タカ派のユーロ圏諸国からの圧力に拘らず、スタンダード&プアーズの最新数字はEU中の銀行がこれまでよりもずっと重度に政府債券に投資してきていることを示し、残高を7910億ユーロに増加させた。国債的諸銀行がイタリアだけに貸し付けた額の総計は5500億ユーロだ。

9。それならイタリア国債残高が非常に残高が多いのは何処の国の銀行か(イタリア自身を除いて)。フランスだーしかも長期ものだ。

10。Die Welt が報じるように、イタリア債務に対するフランス銀行の残高総計は2500億ユーロを超える。それは2番目に多い残高を持つヨーロッパの国、ドイツの3倍だ。ドイツの銀行はイタリア債券の832億ユーロ相当を保有する。ドイツ銀行だけでイタリア債券を簿価で117.6億ユーロ超相当を持つ。他の銀行業部門で非常に汚染リスクの高いのがスペイン(446億ユーロ)、米国(423億ユーロ)、英国(299.7億ユーロ)と日本(276億ユーロ)だ。[太字強調は私]

11。これら残高水準が、どれほどアンゲラ・メルケルなら普遍的に文字通り適用されるユーロ圏の新ベイル・イン規則を愛してもー他でもない彼女自身の政治的生き残りのためだー既に深く行き詰ったドイツ銀行のためを含む、汚染リスクは単純に大きすぎて無視できない。イタリア諸銀行がハエのように落ち始めたら、投資家たちは終末環が全流になるだろう地点で、イタリア債券を大量に売り(ショート)始めるのは時間の問題だ。そしてひと度始まれば、それは止めるのが非常に困難だ。

12。「全体の銀行業市場が圧力下にある」と元欧州中央銀行理事会理事ロレンツォ・ビニ・スマギーがブルームバーグに教えた。「我々は公的資金に関する規則を採択した。一部の停止を適用せねばならぬかどうか決定する潜在的危機にある市場でこれら時速が査定されねばならない」。換言すれば、ヨーロッパの納税者が再び財布を持ち出さねばならない。あなたの銀行があなたを必要とするのだ。

13。おお、そしておまけに元中央銀行家のスマギーもまた、想定されるところイタリアの諸銀行及び国債の残高が重いソシエテ・ジェネラル、フランス最大の銀行の一つ、の現在の会長で、イタリア諸銀行の大規模な納税者負担ベイル・アウトの潜在的な大受益者だ。

14。デヴィッド・フォルカーツ・ランドー、ドイツ銀行ーその株主が粉砕しその債権者が安堵できなくなりつつあるーがバトンを取り上げ、Welt am Sonntag に1500億ユーロの米国TARP似のヨーロッパ銀行ベイル・アウトが「諸銀行を再資本化」するのに必要だと教えるのに、長くはかからなかった。彼自身を含む経営者補償と並んで、債券保有者と株主をベイル・アウトするため納税者資金を使うにはこれが規範だ」。

15。だからヨーロッパ銀行業危機が全面開花に入りつつある。ドイツ銀行は2月、馬鹿げた策略を試みた。即、自身の債券買い戻しだ。だが仮令奇跡的なナンセンスが今仕損じたばかりで、その株とCoCo債券が沈没したのだ。(止め)
***
 日本の銀行株がイタリアの銀行業危機をはじめとするヨーロッパの影響を受けて下がるのは当然なのだ。そして注意すべきはベイル・イン(預金者負担)、ベイル・アウト(納税者=国民負担)孰れにせよ経営失敗の責任を他に転嫁するものということだ。

 そして銀行業危機で仏独伊というEU中心国が政治的にも大揺れになるのが分かる。
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2016年07月25日

めも)ベイルインもベイルアウトも本質は国民への「ステルス増税」 2016年7月21日


 表記は、まぐまぐ発行『カレイドスコープのメルマガ』016年7月19日第165号パート2の抜粋にある小見出し。記事全体のタイトルは<公的資金注入は時代遅れ。IMFがイタリアに仕掛ける「詐欺」の新手口>なる刺激的(キワモノ的)なものだが、本ブログ既報のIMF報告書の解説と独自の読み取りだ。キーワードが表記という訳だ。
《摘要》
1。ベイルイン=預金者の金を失敗の穴埋めに使え
2。ベイルアウト=公的資金の注入による救済
3。金融機関の救済措置は、「ベイルアウト」から「ベイルイン」へ
4。どちらも銀行の失敗を税金、預金で穴埋めして、国民に尻をまわすことだ。(止め)
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めも)テロの脅威は高いまま:なぜ、世界各地でテロが頻発するのか 菅原出 2016/7/18 


 「今月1日、バングラデシュの首都ダッカの飲食店で、日本人7人を含む20人がイスラム過激派に殺害されるテロ事件が発生し、大きな衝撃を与えた。…その後も、14日にフランス南部のニースで、花火の見物客の中にトラックが突っ込み多数の死傷者が出るなど、世界各地でテロ事件が相次いでいる」として、表記は菅原出「2016年のISの動向」を簡潔に紹介する。以下つまみ食いしておく。
《摘要》
東南アジアで高まる脅威
1。[ダッカのテロが]それまで「穏健なイスラムの国」だと思われていたアジアの国にも、中東を震源とする過激なテロの波が及んでいる事実を白日の下にさらし、世界に大きな衝撃を与えた。

2。ISの影響力がアジアにも及んでいることは、専門家や治安関係者の間ではすでに昨年初めころから懸念されていた。
@ シリア・イラクIS支配地域=「本丸」は、米軍主導の有志連合などの軍事攻撃を受けて劣勢に立たされ、支配地域を減らしていく。
A これを受けてISはリビア、エジプトのシナイ半島やイエメンなどに設立した支部に拠点を分散していく。
B 本丸が劣勢に立たされることで、ISは世界中のIS支持者たちに報復テロを呼びかけ、それに呼応する動きが強まることから、一匹狼型のテロが世界中で増える。

本丸は弱体も世界各地でテロ発生
・1月14日にインドネシアの首都ジャカルタで発生した爆弾・銃撃テロ、3月22日にベルギー・ブリュッセルの空港や地下鉄で起きた爆弾テロ、6月12日には米フロリダ州オークランドでナイトクラブが襲撃される乱射テロがあり、6月28日にはトルコ・イスタンブールの国際空港で大規模な爆弾テロ。
・バグダッドでは今年の4月くらいから一度に50人から100人くらいの犠牲者が出るような大規模なテロが頻繁に発生するようになっており、頻度は落ちるもののシリアのダマスカスなどでも同種の爆弾テロ。(止め)

***
 タイ国では今世紀はじめから、深南部で独立運動なのか地域住民を惨殺するテロが続いており、軍隊が治安維持に当たっているが、未だ鎮圧も和解もできていない。一時JI(ジャマー・イスラミア)との関係が取りざたされたが、軍・警察当局の見解では国際的テロ組織との関係はないとされている。住民を襲うから、独立運動といっても住民の支持がない兇徒にすぎない。にも関わらず10数年テロが止まないのは背後に金主がいる筈だ。その炙り出し(一時マレーシアのトムヤムクン説があったが)さえ出来ずにきているのは、軍の無能としかいいようがない。これは軍の本務であり、任務懈怠を問責すべきなのだ。

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各地で蠢く排他的ナショナリズム、世界は歴史的な岐路に 田中 均 [日本総合研究所国際戦略研究所理事長] 2016年7月20日



 世界経済が一過性でなくシステム全般を見直さねばならぬ程、末期的なのは周知の通りだ。そして戦後秩序そのものが内破しかねない政治的激動が世界各地で起こっている。戦争発火点と目される東の南シナ海、西の東欧・ロシア国境。EU解体の恐れもある。既にぐじゃぐじゃの中東(含むトルコ)・北アフリカ、ブラジルを筆頭に悶絶する中南米。「Gゼロ」ですなあ、と慨嘆していればいい時代ではない。特にトランプが米大統領に選ばれれば、勿論現実的路線修正はあろうが、戦争をテコに築き上げてきた米国主導の世界秩序が大きく変動する可能性がある。…といった茫漠たる直観を元に激動する世界秩序の行方を手探りしよう。その参考に表記をつまみ食いする。
《摘要》
中国に吹き始めた逆風
THAAD韓国配備と南シナ海仲裁裁判判決

1。 歴史の岐路には変動の引き金となる事件が起きる。 1989年に起こった二つの事件がそうだった。 6月に起こった天安門事件は中国の民主化の芽を摘み、共産党の一党独裁体制の強化につながり、今日の中国をつくる契機となった。 11月のベルリンの壁の崩壊がソ連邦の崩壊と東欧諸国の民主化、そして東西冷戦の終了につながっていったのは周知の通りである。

2。それから四半世紀あまりの時が経った今日、再び世界の変動の引き金となるような出来事が起こっている。 南シナ海問題での常設仲裁裁判所の審決は、中国の対応次第では、中国と国際社会の関係を本質的に変えていくかもしれない。 国民投票による英国のEUからの離脱は欧州の分解に繋がっていくのか。 そして米国大統領選挙は従来の選挙とは本質的に異なり、米国の世界における立場を大きく変えることになるのかもしれない。

3。中国にはごく最近まで順風が吹いているように思われた。 WTO(世界貿易機関)への加盟が経済成長を押し上げ、中国の国力は飛躍的に増大した。 中国は、一帯一路という壮大なプロジェクトの下で東南アジア、中央アジア、中東、欧州、アフリカで経済協力を土台に影響力を飛躍的に拡大してきた。 ロシアはウクライナ問題による欧州での孤立から逃れるために中国と連携を求め、北朝鮮への影響力を期待する韓国との蜜月時代が続くかと思われた。

4。当初中国は他の国の反応を見るかのように曖昧な形で9段線の議論を行っていた。 中国経済が飛躍的に拡大し、国力が増大し、影響力が強化されるとともに、中国は強引で傲慢となってきた。 南シナ海で岩礁の埋め立てをはじめ歴史的に中国は南シナ海を支配していたとして、その根拠に9段線を示すようになった。 しかし地域の国々で9段線の議論を信じている国はないといっても過言ではなかろう。 明らかに中国は自国の力を過信した行動にでた。

戦略的追い風はもう吹いていない
中国はルールに基づく秩序を尊重するか

5。私はASEANのシンクタンクに公開コメントを求められ「審決を受け中国は南シナ海における行動に慎重な考慮を払う事を心から期待する。 国際社会はこの行動により中国がルールに基づく秩序を尊重する国であるかどうかを判断するであろう。」 と返答した。 刺激的なコメントを出し、中国をいたずらに追い詰める必要はあるまい。 中国が一方的行動を控え対話に進むことが望ましい。 国際社会の法的な判断はある訳なので、中国はこれに従った行動をするのか静かに見守るというのが正しい態度なのではないか。

EUの深化と拡大を止める英国の離脱
6。いずれにせよ諸外国の対英投資は大きくスローダウンしていくのだろう。 離脱通告を行ったとして、EUの英国に対する姿勢は極めて厳しいものとなるのだろう。 英国は単一市場へのアクセスは担保したうえで移民制限をする枠組みと主張するが、EU側は他の諸国の追随を防ぐうえでも英国が「いいとこどり」をするのを認めることはない。

7。第二次大戦後の欧州の統合、EUの深化と拡大は間違いなく欧州の安定を生み、冷戦後の欧州秩序をつくり、欧州の経済発展に貢献してきた。 しかし今やEUの深化と拡大の流れは止まるのだろう。 後世の人は英国の国民投票が変動の引き金だったという評価をするのかもしれない。

米国の大統領選挙
アウトサイダーを求めるポピュリズムの雰囲気

8。トランプ旋風の共和党は伝統的共和党とは大きく異なる。 従来共和党は米国が軍事的手段をとって世界の警察官として行動することが秩序を守り、米国の長期的利益に適うと信じてきたのだろう。 また、同盟国との関係を重視してきた。 しかし今や共和党にとっても国防予算は聖域ではなくなり、トランプの掲げる強いアメリカは自己の短期的利益に忠実なアメリカであるような気配がある。 米国は内向きの度合いを強めていくのだろうか。

9。今回の大統領選挙は従来の伝統的な二大政党の政策論争ではなく、従来とは異なるもの、ワシントンの伝統的政治家ではないもの、歯切れの良い発言で自己利益に忠実な米国を追い求める、といった雰囲気の中での選挙戦となる危惧がある。 クリントン女史が勝利したにしてもそのようなポピュリズムの根は残るのだろう。

10。中国の南シナ海での攻撃的且つ一方的な行動には、19世紀までの栄華を取り戻そうという動機がある。 習近平の掲げる「中国の夢」の実現ということか。 英国の国民投票で離脱が残留を上回ったのはEUに振り回されるのではなく伝統的な英国らしさを取り戻したいというナショナリズムの発露であったのだろう。 米国のトランプ旋風の背景には、トランプが掲げる「アメリカ第一」主義で偉大な国アメリカの復活を望む国民意識がある。

排他的ナショナリズムに抗する良識は働くか
健全な批判を受け入れる寛容さを

11。しかし、このような望ましいシナリオを実現させるためには、各国の国民が意識を鮮明にして合理的な議論に耳を傾け、メディアも常に健全な批判勢力としての役割を忘れることなく切磋琢磨し、ポピュリズムに流されないという強い意志を持つことが必要なのではないのだろうか。 日本においても政治の舵取り次第では排他的なナショナリズムが頭をもたげる余地は十分にある。 圧倒的に強いといわれる政権であればこそ、自由闊達な議論と健全な批判を受け入れる寛容さが求められているのだろう。(止め)
***
 世界史の始まったモンゴル帝国を持ち出すまでもなく、所謂「普遍」が広がる前提に軍事力があったのは周知のことだ。ここ500年程の西欧中心主義が3つのC(征服、キリスト教、資本主義)に代表されるのも知られている。軍艦外交とも呼ばれる。パクス・ブリタニカを後傾したパクス・アメリカーナも世界最大最強の軍隊に支えられてきた。

 そうした軍事力を支える経済力は世界GDPの50%が清帝国を含めて経験値とされている。アメリカが最大の経済であるのは間違いないし軍事力も最強だが、経済が20世紀初頭の世界の50%からは程遠い。つまり、全世界を統御できる力はもうない。「Gゼロ」は決定力を行使できる国のないことを表現したもので、世界均衡は伝統的な勢力均衡を手掛かりにするしかない。中国習近平の提唱した「一帯一路」も美辞麗句として残るだろうが、発案者の独占利用(利益独占)にはならないだろう。

 筆者の言う通り「世界は歴史的な岐路に」ある。当面パッチワーク的部分秩序を積み上げつつ進むしかない。私は「法の支配」実現を目標にすべきと思うが、数千年かけて普遍宗教が世界中を覆えなかった故事からして、永遠の目標になるかもしれない。
posted by 三間堀 at 06:58| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする