2017年10月18日

【泰・米】トランプ時代の米泰同盟の管理 The Diplomat October 11, 2017


 プラユット訪米に関連する記事をもう一本。同盟管理の難しい仕事が残るという表記をつまみ食い。
《摘要》
1。今月初めのタイ首相プラユット・チャンオチャのホワイトハウス訪問は、一部の者によって、2014年5月軍政の権力掌握以来凍結していた米泰同盟に於ける大きな解凍として解釈された。事実、両指導者間のサミット会談は既に進んでいた進行中の同盟再較正に於ける単に最新の一歩、条約の両盟友が注意深く管理せねばならないこの先の幾つかの挑戦と面し続けるものとして、理解されるべきだ。

2。2014年5月のクーに続く米泰同盟の当初の冷え込みに拘らず、紐帯は凍結した固体には程遠く、両側が戦略的対話を再開し幾つかの軍事交流を続けて、オバマ政権終了に向けた上昇を既に持っていた。この過程が米大統領ドナルド・J・トランプ下で続いた。2月今年のコブラ・ゴールド演習に米太平洋司令部主席提督ハリー・ハリスーそれをやる最高位の軍人ーが出席した、そしてホワイトハウスの招待が4月プラユットに届いた。

3。トランプ=プラユット・サミットは斯様に既に進行中の再較正過程内の単に最新の一歩だったけれども大きなものだった。それがクー以来タイ国に許された最初のホワイトハウス会談であり両指導者の最初の会談だからだ。しかもその再較正過程は依然来る数ヶ月の裡に両側が対処せねばならぬだろう幾つかの大きな挑戦に直面する。

4。でもこれが亦各側の安全保障上の脅威への認識と対処の仕方間の基本的な相違を覆い隠す。これらの相違が既に表面化し始めた。条約同盟国の中国へのより近い同調について懸念を表明しつつ、米国がタイ国に北朝鮮のような或る分野で「もっと多くを為せ」と依頼した。タイ高官にとって、米国の負担分担関心が表明されるのを聞いたことがあるのは殆ど初めてではない。そしてバンコクはサイバー・セキュリティーからロヒンギャ問題にわたる地域問題で役割を果たすのは幸せなのだけれども、これら依頼の幾つかは一般的にそれから特にアジア政策をめぐるトランプ政権自身の外交政策について未だ非常に多くの不確実性がある時に為すのは一層困難且つ危険なのだ。

5。挑戦は経済的領分で議論が割れるもののより大きい。米国側では、米国が最高の貿易赤字を被ってきた16カ国リスト上に、タイ国、東南アジアで2番目に大きい経済を含んで、早くも二カ国間経済関係に於ける挑戦にトランプ政権が注意を払っていた。米泰の高官はサミット直前の9月末に米商務長官ウイルバー・ロスがタイ国を訪問して、これが管理され得るような方法を通じて作業を続けている。それでもトランプがサミット会談での陳述に注記したように、これは彼の政権にとって懸念分野であり続ける。

6。タイ側では二カ国間経済紐帯が、特にタイ経済と体制の全体的正統性を高める脈絡で、プラユット政府にとり問題だ。タイ国は投資をするもっと多くの米事業が欲しくて、プラユットは持論をトランプ政権との会合だけでなく米アセアン・ビジネス評議会と米国商工会議所とにより組織された催しで直接実業界に告げた。そうすることに米企業の興味は引き続きあるけれども、同時に、タイ国の成長率が依然として潜在力をずっと下回り、その地域の僚友に後れ、その将来的な政治的安定性について懸念の中より長期的に疑問符が続くのも本当だ。

7。それが泰米両国で作用する政治力学に戻ってくる。2014年5月クーに続くタイ国の民主的統治への全面回復は依然進行中で、今は2018年11月に設定された選挙の繰り返す遅延と敬愛された君主プーミポン・アドゥンラヤデートの死に続く進行中の王位継承を含むその時までに起こる幾つかの重要な成り行きがある。軍政がこの継承を微妙に管理せんと企てるので、米外交政策過程にある何人かの役者の間で人権懸念を悪化させかねない手順を国内的に取るかもしれない。それによって同盟に潜在力全部を実現させるトランプ政権の能力を制限或いは少なくとも欲求不満にするかもしれない。

8。しかしタイ高官は、東南アジア僚友の一部に似ていないわけでなく、熱心に内密理にトランプ政権は同盟にある国内政治についての懸念が両面を切り得ると指摘する。トランプが東南アジア諸国に幾つかの断定をなしてきたー一連のホワイトハウス・サミット開催への関与や来月ヴェトナムとフィリピンでの多国間会議出席を含むーけれども、来年の国内で近づきつつある中間選挙の展望をめぐる忍び寄る不安定性と合した政権のポピュリスト的傾きは、タイ政府とエリート内の一部が依然として抱く用心を強めるだけだろう。

9。確かに驚異の認識を同じくし国内の政治展開を管理するような挑戦は、数世紀遡る同盟国、パートナー及び友邦のワシントンのリスト中最古の関係の一つを持つから、米泰同盟にとって新しくはない。それでも以前やったように、サミットの共同声明で謳い挙げた「共通の安全保障」と「共通の繁栄」を達成する積りなら、両側はそれらを注意深く管理せねばならぬだろう。(止め)
***
 タイ国が中国に膝を折ることを望まぬ限り、米国との同盟維持は不可欠な筈だが、タクシン時代の初期に米国との同盟の存在すら忘れたかのような態度が見られ、バンコクポストはじめ主流マスコミに批判されたことがある。後にジャマー・イスラミアの幹部を逮捕、米国に差し出すことでNATOに準じる同盟国とブッシュ・Jr.に認められはしたのだが。タイ軍はアメリカの強力な援助・指導で自己形成してきた経緯があるのにアメリカとの同盟関係をどうするのか議論するのをあまり聞いたことがない。

 日本はかつては「価値観外交」などと言っていたのにクーを黙認するどころか、欧米の厳しい批判のような動きを見せない。寧ろ唯一暖かい対応をして、プラユットの支えとなっている。外国人直接投資のストック・フロー両面でのトップ投資国であり続けている。内政不干渉或いは政経分離かもしれないが、所詮エコノミック・アニマルかとの声も聞こえる。しかし軍事力の裏打ちなき外交だけに、不測の事態に対応できない。タイ国住民としては、もどかしい限りだ。
posted by 三間堀 at 18:24| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【泰・米】ホワイトハウスで歓迎されたタイ軍政指導者 7 October 2017


 タイ首相がワシントンを訪問するのは12年ぶりだと言う。クーに対する欧米の厳しい姿勢から国際的孤立色を憂えていた軍政には、一度キャンセルされたが、トランプの招きで訪問できたのは僥倖だった。さて訪問の成果はどうだったのか。表記をつまみ食いする。
《摘要》
1。タイ国高官が片端にする国連制裁を含め、ワシントンの北朝鮮への攻撃的対決の支持を再確認した。トランプ政権はタイ体制に北朝鮮に絡む全ての金融及び貿易関係を終了せよと圧力を掛けてきている。北朝鮮との山なす衝突は、タイ国内を含む地域中で中国の影響力を切り崩すより広範な努力の一部だ。

2。米高官はタイ国との経済関係振興を呼びかけてきた。タイ外交官や企業代表は金融紐帯及び貿易拡張目的の投資計画を提示した。「アメリカ第一」保護主義の線に沿って、トランプはタイ国にもっと多くの米国商品輸入を要求して、プラユットから石炭の年間購入を5−6万トンに高める約束を引き出した。

3。権力の3カ年、タイ軍政は集会や自由な表現の権利を切り崩し、政府を批判する情報へのアクセスを制限し、無制限の権力を内閣に与える。プラユット政府は、反対や不平を抑圧しつつ、約束した国政選挙を遅らせてきた。

4。クー以来、少なくとも80人が平和的集会のために裁判にかけられ、27人が体制批判で、別の56人が王室批判の廉で訴追された。先月中に、親軍政の裁判所が2010年抗議者への軍事弾圧に責任のある者を保護したが、前首相インラック・シナワットラには腐敗訴訟を数え上げて5年の懲役を科した。インラックは有罪判決が言い渡される前に海外に逃亡した。

5。トランプの、名目上であれ、タイ軍政の抑圧的手法へのどんな批判をも取り下げたこととホワイトハウスへのプラユット歓迎とは、体制を勇気付けて批判者及び反対者への弾圧を熾烈化させるだけだろう。トランプの行動を防衛して、右翼シンクタンクのヘリテージ財団が宣言した。「我々は人権及び民主主義について懸念せねばならぬが、それが我々の同盟国との関係を命じることはできない」。

6。トランプはワシントンのタイ国との関係を「非常に強い…過去9ヶ月間でもっと強くなった」と表現した。ホワイトハウスはタイ国を中国から東南アジア諸国を引き離し、もっと堅固に米陣営に取り込むに際し決定的な要素と見做す。8月、国務長官レックス・ティラーソンがタイ国、フィリピン及びマレーシアを訪れ、軍事及び経済の同盟議論を発議した。トランプは11月のアセアン・サミットに出席する計画だ。

7。トランプのタイ軍政との紐帯強化は従前のオバマ政権の政策の継続だ。2014年の政治的混乱の最中、それがインラック・シナワットラとその選挙された政府との追放準備をしたにせよ、米政府は軍支持を維持した。

8。米国は軍事援助350万ドルの即時停止と軍事演習削減を発表したが、最も死活的なプログラムは損なわずにした。経済関係は手付かずのままで、事実上、オバマが権力にあった2年間強化された。前政権は軍政指導者を決してホワイトハウスに招かなかったが、全ての可能なやり方で軍事的関係を維持発展させるのを目指した。

9。オバマ政権の民主的諸権利への懸念表明と新しい選挙の呼びかけは全くもって皮肉だった。中国に対する「アジア・ピヴォット」の一部として、オバマは中国の増大する経済的及び軍事的影響力に対する対抗攻撃に米国の地理戦略的、政治的及び経済的権益を断言するのに懸念した。

10。地域内の他国同様、タイ国は米中間の均衡を求めてきた。しかしながら、タイ軍は米国と長く続く関係を持ってきた。アメリカ軍事援助の削減に際して、タイ国は中国との軍事的結びつきを強め、米国、日本及びアセアンに懸念を齎した。(止め)
***
 タイ国がどんな政権であろうとも、アジア大陸とオーストラリア、そして太平洋とインド洋の間にある海域を「アジアの地中海」と呼んだ地政学者のニコラス・スパイクマンは「中国がいずれ経済成長を遂げ、軍事力によって『アジアの地中海』を『中国のカリブ海』にするだろう」(『現代日本の地政学』所収小谷哲男論文)と予言している通り、その地政学的重要性は揺るがない故に、アメリカが関係途絶するのは不可能だ。

 米中が自己の勢力圏内へのタイ国取り込みを競い合わざるを得ないなら、タイ国としては米中いずれかに旗幟鮮明にするのは得策でない。どちらからも甘い汁を得られるからだ。米国は民主主義の旗手と嘯くが、数多の独裁者、専制君主の国とも盛んな交流がある。明らかな大嘘だ。それはどこの国でも知っている。だが普遍化した民主主義理念の主導者は必要だから、発言者の資格を問わず、主張内容を採り上げるのだ。

 残念ながらというか、アジア情勢の然らしめるところか、米国(当然日本も)はアジアの地中海、その中枢の一つタイ国を自陣営から切り離すことができない。逆に言えば弥次郎兵衛タイ国のバランス感覚が狂って、極端に中国に傾かない限り、友好関係を維持しなければならない。つまり、軍政が胡座をかこうとも、軍政を転覆させる(レジーム・チェンジ)には至りにくいのだ。本来なら軍政関係者の渡米禁止くらいしてもいい筈なのに。結果、民主主義を望むタイ国民の期待は裏切られたことになろう。
posted by 三間堀 at 10:49| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月17日

【転載】中国、電気自動車の先端レアメタル独占のためコンゴへ巨額を投下 宮崎正弘の国際ニュース・早読み


【転載開始】
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)10月4日(水曜日)
        通巻第5461号  <前日発行> 
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悪夢だった「リビア型プロジェクト全滅」の教訓は何処へ?
 中国、電気自動車の先端レアメタル独占のためコンゴへ巨額を投下
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あの「リビアの悪夢」を北京の中南海の住人たちは忘れたらしい。
カダフィ独裁体制が崩壊し、内戦が激化、リビアは事実上分裂し、無政府状態にある。元凶は米国が仕掛けた「アラブの春」の影響による。

現在、リビアの石油鉱区はそれぞれのベンガジとトリポリに盤踞して、「政府」を名乗る武装勢力が確保し、イタリアなどが輸入しているが、嘗ての生産量は激減した。

カダフィを支援して百以上の建設プロジェクトをリビア各地に展開してきたのは中国だった。内乱勃発とともにリビア国内にいた中国人およそ36000名が国外へ脱出した。 
西隣のチュニジアや、東隣のエジプトからバスをチャーターし、イタリアやギリシアからフェリーをチャーターし、さらには救援の特別機を飛ばした。
一人の犠牲もださずに見事な撤退作戦だったが、中国の受けた損害はおそらく数百億ドルだろう。

 以後、中国主導のプロジェクトは完全に復活しておらず、債権のゆくえも分からない。つまりこの海外債権は事実上、不良債権化している。リビア政府は形骸として存在しているが、カダフィ時代の債務には無関心である。

 それなのに懲りない中国である。
こんどはアフリカの奥地コンゴへ大々的な進出を決めた。
 コンゴ?
 その昔、ザイールと名乗っていたコンゴは二つの国にわかれ、コンゴ共和国(旧仏蘭西領)とコンゴ民主共和国(旧ベルギー領)だから、ややこしい。

 コンゴ民主共和国は世界11位の面積、首都キンシャサの人口は800万人。若い国ゆえに全体の人口は8000万人の大国である。
ところが熱帯雨林と湿地帯、湖、瀑布、山岳と地理的条件が悪く、交通事情は最悪で運送は河、湖に依拠し、ハイウエィは途中を繋ぐだけ。
それでも輸出の90%がレアメタルである。

 その昔「コンゴ王国」は、ポルトガル(いまのアンゴラ)、フランス(コンゴ共和国)、ベルギー(コンゴ民主共和国)の三つを併せもつほどだった。列強の植民地競争で、ポルトガル、仏蘭西、ベルギーが分け合ったが、19世紀にはベルギー国王の私有地だったのである。


 ▼コバルト産出は世界一のコンゴ民主共和国

このコンゴのなかで、旧ベルギー領の「コンゴ民主共和国」が、現代文明のハイテクに欠かすことができない・銀、銅、ダイヤモンド、コバルトなどレアメタルの宝庫なのである。その金推定埋蔵は26兆ドルに達すると推計される(THE DURAN,2017年6月7日)。

 筆者の少年時代、1960年からの独立戦争を戦ったルムンバ「首相」は武装ゲリラに拘束されて処刑された(61年)。国連のハマーショルド事務総長が搭乗した飛行機は謎の墜落、その後、モブツ大統領という奇妙な独裁者が登場し、鉱山利権を掌握し、国名を「ザイール」と変えた。
無謀で残虐な暴政を敷いて、このレアメタルリッチに君臨した。

 この独裁者=モブツ・セセ・セコはスイスに隠し口座をもち、国民が飢えていても一族は贅沢三昧、大統領特別機を飛ばして欧州を行脚した。大統領補佐官を十名近くも引き連れ、しかも補佐官はすべてが女性だった。ようするにハーレムが移動したようなものだった。

 1996年ザイールは悪政が原因で崩壊し、クーデターで実権を握ったカビルが大統領となった。そのカルビは暗殺され、息子のカビル・ジュニアが大統領を引き継ぎ、二代にわたる長期政権が続いているが、政治的な安定度をかく。米国は政治的大変化が近いと踏んでいる。
 
コンゴの最深奧部に広がるのはカタンガ州で、コバルト鉱山はこの辺疆に位置するのだ。
コバルトの生産でコンゴは世界一である。世界市場の65%を握る。コバルトは「地の妖精」という別名がある白銀色のレアメタルである。
 
カタンガ州は標高1000メートルの山岳地帯にあり、欧米の鉱山企業が経営しているが、武装ゲリラが鉱山を急襲した折は、操業中だった日本鉱業(現在の「JX金属」)の社員等が孤立し、ベルギーとフランスが空挺団を派遣して救出した。

 コバルトは磁気テープ、スピーカ、顔料、高速印刷機(新聞社の輪転機など)の切断(業界ではギロチンという)などに使われ、また自動車エンジンの触媒にも駆使されているため、ハイテク工業界は備蓄を進めてきた。
とくにコバルトが次世代のリチウム電池に使えることが判明し、俄然注目されるようになった。

 しかしお花畑に暮らす日本はこのことに無関心で、当時のコバルト危機で国際世論が沸騰した1978年頃、日本のメディアが騒いでいたのは安西マリアとかの歌うたいの失踪事件だった。そのノー天気は北朝鮮のミサイル危機でも別世界の出来事のように認識しているのだから、お花畑はいまも、昔も替わらない。


 ▼電気自動車のバッテリーはコバルトが必要、だから独占を狙う

 さて、これからは電気自動車のバッテリーでコバルトの大量の需要があるとされる。
 電気自動車のバッテリーと聞いて、きらりと目を光らせたのが中国だった。中国は電気自動車を世界に先駆けて普及させようと懸命である。

西隣のコンゴ共和国(首都プラザビル、人口140万。全体の人口は520万人)やアンゴラに進出している中国企業は、むろん、鉱山事情の照査をしてきた。
キンシャサ、ルカサ、プラザビルなどの拠点を拡げるのは中国鉄路工程総公司や、中国有色鉱業有限公司など、国際的な企業が多く、虎視眈々と有望鉱山を狙い、また鉄道のアクセス建設を中国主導ですすめるためにアンゴラ、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国と協議をつづけてきた。

とくにアンゴラに海底油田の鉱区をもつ中国は、首都のラカサに四万人のチャイナタウンがあり、そのうえアンゴラはコンゴ共和国との間に軍事協定がある。そのコネクションは強く、中国はアンゴラルートを経由してコンゴに近付くのだ。

中国はアフリカ大陸の東西を横切る鉄道建設という途方もない野心を抱いて、これが「アフリカ版シルクロート」の決定版にしようと本気でアフリカ諸国に働きかけを行っている。

習近平のコンゴ訪問は2013年三月で、南アフリカで開催されたBRICS会議へ向かう途中にコンゴ共和国へ立ち寄ってサス・ンゲソ大統領と会談している。その前の2006年にも胡錦涛が訪問している。

東隣のコンゴ民主共和国ではコバルトのほかにウランも産出する。このため、中国はコンゴ民主共和国にはウラン鉱脈の開発も打診しているという。そうだ、このコンゴのウランが廣島の原爆に使われたのだ。
 
カタンガ州最大の鉱山は「テンケ鉱山」で、これを操業するコンソーシアム企業には、米国系のフリーポート・マクマロン社(本社フェニックス、アリゾナ州)が58・8%の株主、第二位がランディ社(本社トロント)で28%。残りを地元企業などが保有する。

 突如、中国の「中国モリブデン公司」は、フリーポート・マクマロン社から26億5000万ドルの大金を支払って株式の譲渡を受けたのだ。 


 ▼米国は今後に深刻なカントリーリスクをみている

 米国はカントリーリスクをコンゴの近未来に見ており、第一にカビル政権の腐敗と圧政が続く限り、クーデター、政変が不可避的であると睨んでいる。それゆえに米国系企業は中国に株を売り抜けようとしているわけである。

 米国は「アラブの春」やチェコから始まった「カラー革命」がいずれアフリカ諸国の民主化運動に発展すると踏んでおり、前カタンガ州知事だったカツンビを保護して、カビラ政権崩壊後に備えている。
カツンビは現在ロンドンで事実上の亡命生活を送っている。
 
あるいはカツンビをしそうして、カタンガ州独立運動を背後で操作するシナリオも検討されているらしく、根底にある米国の戦略は、中国のコバルト独占を許さないという深謀遠慮である。
 法外で破天荒な投資のあげく、政権がひっくり返るというパターンはリビアで目撃した。

 さらに日本関連で連想するのはレアアース事件だった。
中国の内蒙古と江西省などでしか産出されないレアアースは携帯電話、スマホに不可欠の希少金属で、中国は日本への輸出を規制する挙にでた。

悲鳴を挙げた日本企業は、第一に昭和電工などが中国に工場を建設し現地調達に踏み切り、第二に供給先をカザフスタンなどに多角化し、第三に代替材料の研究開発を始め、第四にはレアアースのリサイクル運動を強化した。使い古した携帯電話、スマホの回収は意外に進んでおり、この結果、中国は輸出先が先細りして在庫急増し、昨今はダンピングで日本に買って欲しいと要請している。逆転である。

 さて中国がもし、コバルトを政治的武器に活用するとしても日本の備蓄は意外と多い。国家備蓄は24日分、茨城県高萩の倉庫に備蓄されているほか、大量にコバルト需要のある企業は、自社ストックを弐ヶ月から半年分備蓄している。
 中国のコバルト独占という野望は不可能だろう。
    □◇□み△□◇や□▽◎ざ□◇□き◎□◇  
【転載終了】
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2017年10月14日

【転載】在韓米国人のエクソダス訓練を開始か 宮崎正弘の国際ニュース・早読み


【転載開始】
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)10月14日(土曜日)弐
        通巻第5478号  
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 在韓米国人のエクソダス訓練を開始か
  すでにマニュアルは配布され、グループ別の集合場所、方法も
**********************

 在韓米国人は20万人以上と見積もられている。
 有事の際の脱出訓練がちかく開始され、集合場所や方法についてのマニュアルが配布さているようである。

 訓練内容は秘匿されているが、まとまって空軍基地か空港に集まり、分散した飛行機で在日米軍基地へいったん避難する。あるいは陸路、釜山へ南下してチャーターした船舶で、日本の港へ接岸後、米国へ待避する。

 日本人が有事に際していかに脱出するかの訓練はまだ行われた形跡はない。情報筋によれば、アメリカの救援機が頼りだというから、あのイラン・イラク危機の教訓はなにも活かされていないことが分かる。

 イラクで湾岸戦争勃発前夜、取り残された日本人はバグダット空港に集まったが、JALは特別機の派遣を拒否した。台湾のエバー・エアーが「お客様は神様です」と言ってチャーターに応じてくれた。

 その前のイラン・イラク戦争のとき、トルコ航空の有志らがアンカラ政府の許可も得ずに、テヘランは救援に向かい日本人を救った。そのパイロットはエルトールル号で救われたトルコ使節団の末裔だった。
「このとき日本に恩返しをしたいと思った」とトルコ人パイロットがのちに語ったことは映画にもなった。でもJALも、ANAも、何をしていたのか。いやそもそも自衛隊機は何をしていたのか?
   □◇□み△□◇や□▽◎ざ□◇□き◎□◇    
【転載終了】
 在外日本人の救出に自衛隊機が赴けるようになったが、「相手国の承認」を条件とする(在韓日本人対象なら韓国の)。北朝鮮危機の大きさ、拉致被害者救出を絶叫しながら、その準備はお寒いようだ。昔の奉職先の海外駐在員の仲間たちは決まって日本政府は何もしないと憤っていた。安保法制で少しは前進した筈だが、世界中に散らばった企業戦士の有事救出策はこれからだ。米国同様とはいかぬまでも、もっと真剣に在外邦人救助を考えねばならない。
posted by 三間堀 at 15:15| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月12日

【転載】サウジ国王がじきじきに訪ロ、プーチン大統領と会見 宮崎正弘の国際ニュース・早読み


【転載開始】
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)10月7日(土曜日)弐
        通巻第5467号 
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 サウジ国王がじきじきに訪ロ、プーチン大統領と会見
  これは中東情勢が劇的に変わる前兆かも知れない大事件だ
*********************

 サルマン国王は高齢、めったに外国へ出ない。
 トランプ大統領も、わざわざ外遊の最初の訪問地に選んだのはサウジだった。外交はムハンマド皇太子が担い、二回、モスクワへ飛んでいる。ならば国王がこの時期になぜ、他の国を差し置いてロシア訪問に踏み切ったのか。
 サルマン国王は10月4日、モスクワに到着し、7日まで滞在するとした。5日にはクレムリン宮殿でプーチン大統領とも会見した。

 サウジは冷戦時代、一貫して旧ソ連を敵視した。
ソ連は無神論を建前としたから、イスラム国家の代表を自覚するサウジが、米国の敵を親しくなる筈はなかった。
 冷戦がおわり、中東からソ連の影響力が去ると、サウジは態度を軟化させていた。嘗て犬猿の仲だった両国がそれぞれに接触する必要性が産まれた。

 2015年にロシアは100億ドルの共同プロジェクトを謳い、農業や不動産開発のプロジェクトを推進する協定に署名した。サウジはサウジで、すでにロシアへ10億ドルの投資を行い、もっと増やすと約束している。

 第一にロシアとサウジアラビア両国で世界の石油生産の25%(四分の一)を占めるという事実を把握しておく必要がある。
ロシアはOPEC加盟国ではなく、サウジが進めた原油増産、減算という石油価格調整政策にパラレルにしたがったことはない。しかし、両国は原油市況が半減したことから、お互いの孤立的な立場の補完を模索し始めた。

 第二にサウジアラビアが「脱石油文明」を目指すという「ビジョン2030」に、ロシアは何ほどの関心も示さなかった過去を忘れたかのように、俄然熱心となってプロジェクトへの協力を申し出た。
とくに合弁の石油精製、石油製品生産工場の青写真の実現に向け、ロシアは20億ドル前後の投資の用意があるとした。またアラムコのIPO(株式公開)にも、参加したい旨を表明した。アラムコ株の購入には中国が真っ先に手を挙げている。

モスクワ訪問のサウジ国王に随行したビジネスマンは200名前後という大型旅団で、クレムリンでは両国の経済フォーラムが開催された。ロシアを代表するガスプロム、ロフネフツなどの企業代表が参加したことも注目に値する。


 ▼ロシアは経済協力を申し出て、アラムコ株の購入も材料に、武器輸出を打診

 第三に武器供与の問題である。
 サウジは表面的には米国兵器、とりわけ戦闘機、パイロットの訓練などで米国依存だが、ミサイルに関しては中国軍を国内に秘密裏に駐在させている。

 トランプはサウジ訪問時に1100億ドルの武器供与をサウジ国王との間に交わした。
 この大市場に魅力を感じるロシアは戦車、装甲車、武装ヘリ、各種ミサイルなど総額35億ドルのオファーを提示して、過去数年にわたって交渉を繰り返してきたが成約には至っていない。
 しかし、ロシアはサウジアラビアに対してS400(イスカンダルミサイル)の供与を売り込みの突破口として提示したとみられる。

 米国はしかしながら不快感を表さず、エジプトもインドも、どこもかしこも米国の兵器とロシアとを天秤にかけて外交の武器としており、これは常套手段という認識である。
 むしろ米国がもっとも注目しているのは、サウジとロシアが、石油価格の値決めプロセスにおいて、何らかの密約を結ぶのではないか、と見ている。

  サウジ国王のモスクワ訪問は、以後の石油市場へのインパクトが大きいと米国国務省は分析している。
                ◎◎◎◎
【転載終了】
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2017年10月01日

めも)「地経学の復活」の理由6つ マーク・サールウエル 2010年

 
 30年近く前にブームとなった地経学が下火になったのは米国経済が勢いを盛り返したからだった。それがここ数年復活しつつある。表記「地経学の復活」の著者マーク・サールウエルはその理由を6つ挙げた。
《理由》
@中国の台頭に象徴される多極的世界経済の到来
Aグローバリゼーションと「商人による平和」
Bグローバリゼーションの負の側面
C国家資本主義の台頭
D財政危機の時代
E(資源)欠乏の時代(止め)
出所)『新しい地政学』中公新書

 この論文の書かれた時、日中間で尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件が起きていた。そしてその後「地経学」が一気に広まった。

参考)地経学の定義(CFR)
 国益の増進と防衛、さらに地政学的に有益な結果をもたらすために経済的手段を行使すること。
(以上)

ps)一知半解では使えない。私も勉強することにしよう。
posted by 三間堀 at 15:49| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月28日

デカップリング(切り離し)−米と同盟国 信頼の揺らぎ− 神保 謙 2017年9月25日


 語られてはいても適切な用語に欠けていた米国同盟の切り離しに神保 謙が「デカップリング」なる呼称をした表記。つまみ食いしておく。
1。金正恩朝鮮労働党委員長が北朝鮮の核開発の最終目標は「米国との実質的な力の均衡の達成」だと述べたように、北朝鮮は米国に対する核抑止力の確立に邁進している。その終着点を米国本土を射程に収めた核搭載のICBM実戦配備と捉えている可能性が高い。

2。「デカップリング」(切り離し)問題:「米国はロサンゼルスを危機に晒して東京やソウルを守るのか」。米国が北朝鮮からの核攻撃を恐れ、同盟国である日本や韓国に対する防衛を躊躇する構図である。

3。これに対抗するには:北朝鮮のめざす「米国との力の均衡」や米国と同盟国の分断は容易に実現しないことを示す必要がある。そのためには米国が北朝鮮の核・通常戦力に対する圧倒的な優位性を維持し、米本土防衛と同盟国に対する安全保障の傘(=拡大抑止)に切れ目を生じさせず、そして同盟国がミサイル防衛をはじめとする防衛力強化を図り、米国と同盟国とのシームレス(切れ目のない)な安全保障態勢の深化と政治的信頼が不可欠である。(止め)
***
 下線部の前段には疑問がある。北朝鮮と米国との軍事力格差は今でも圧倒的だ。米朝間の核抑止力に問題はないだろう。問題は後段の米国が同盟を結ぶ韓国・日本への核の傘だ。約束だけでは抑止力にならないからだ。核シェアリング或いは両国の核武装を俟って初めて抑止力が生まれる。

 政治的信頼は大統領だけでは足りない、開戦決定権が形式上議会にあるからだ。ロスアンゼルスをキノコ雲に覆わせる決断はなかなか出来ない。米国の同盟関係は同盟相手国の仮想敵国が核ICBM保有国なら、北朝鮮と同じ問題が生じる。つまり、実物の核の傘(シェアリング)を与えるか、核武装させることだ。

 暗い話だが、一般に国際条約(含む同盟、中立、不可侵など)は国益の変動に応じて、破約/破棄されるものだ。かつて米国は自由の女神像を贈られたフランスと同盟していたが、フランスの窮状にあたり、見事に意訳した過去がある。なかなか99.9%の信頼を置くのは難しい。😖😖
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2017年09月23日

めも)地政学と地経学


 日本再建イニシアティブ著『現代日本の地政学』(中公新書)を読み始めた。地政学には馴染みがあるものの地経学は言葉(それも英語だけ)だけでピンと来ていなかった。以下イントロ的に同書による言葉の定義をあげておく。
🔷地政学とは、国家が行う政治的行動を地理的環境、条件と結びつけて考える学問。

🔶地経学とは、地理学的な利益を経済的手段で実現しようという政治的・外交的手法のこと。
 例)2010年中国によるレアアース抑制、尖閣沖で起きた中国漁船衝突事件で日本が逮捕した船長への中国の釈放要求。(止め)
ラベル:地政学 地経学
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2017年09月21日

【日・米】日本の首相が北朝鮮に対する米「軍事選択肢」を後援す 20 September 2017


 トランプの肚の内が読みにくいので、最終的に既に始まっている米鮮秘密交渉路線で行くのか、それとも戦争に打って出るのか、極めて分かり難い。表記は後者を選ぶ場合トランプの決断を支えることになろう。そしてこれは日本が戦争を覚悟したと読み得よう。有本香情報だが、暫く前にトランプ大統領から安倍宛3度電話があって日本の覚悟のほどを確認してきた、というのがあったからだ。政権は頼りなくとも(マチス発言など)米軍は信じられるからかもしれない。勿論、これも安倍の心中のこと、憶測に過ぎないが。つまみ食いしておく。
《摘要》
1。日本の首相が続けた。「私は『すべての選択肢が卓上にある』という米国の立場を堅固に支持する」。米国がその需要を押し付けるのに軍事力を使うだろうとの警告の簡略形になった文句が、トランプ政権下、さらに一層剣呑な意味となった。

2。トランプは先月「世界が決して見たことのないような炎と怒り」で北朝鮮を封じ込めると威嚇した。これが昨日の国連演説で強化された。その中で彼は米国が同国を「全面的に破壊」しなければならぬかもしれないと警告した。

3。米国の対北朝鮮戦争を後援するに際し、安倍がどんな交渉末路も段階的に激化する衝突だと強調して言い切った。「外交を優先し対話の重要性を強調することが北朝鮮に機能しないだろう。歴史が示すには国際社会全体による指揮された圧力が不可欠だ」と彼は書いた。

4。安倍は1994年クリントン政権下米国が「核の脅威」を口実にして北朝鮮への全面戦争の瀬戸際にあった事実を省いた。ありそうな損害の規模に直面した最後の瞬間、取り下げるしかなかったからだ。2000年、軽水炉が辛うじて始まっていたが、米国はほかの約束ー取り分け、数十年にわたる北朝鮮の外交及び経済の阻害を緩和することーを何も充足しなかった。

5。同様に、安倍は平壌を2007年非核化第2協定崩壊と非難した。現実には、ブッシュ政権がイラクの軍事占領維持に酷く圧されて取引に合意しただけで、決してそれを守る意図がなかった。仮令北朝鮮が取引の自分の側を守ったにせよ、ブッシュはもっと厳しい検査体制、結果的に協定を無効にするものを要求した。オバマはそれを復活させる企図を講じなかったし、北朝鮮を周る制裁の嘘を緊くする政策を追求した。

6。北朝鮮の今月の6回目の核実験に続く最新の国連制裁を賞賛しつつ、安倍は世界が「これら制裁の適用に単純に満足してはならない」と宣言した。彼は固執した。「今こそ最大の圧力を北朝鮮にかける時だ。これ以上の遅延があるべきでない」。

7。しかしながら、交渉が言明されるのに、より多くの制裁の要点は何だ。安倍はトランプ政権同様に、平壌で大規模な政治的危機を発生させ米国が体制追放のために介入する道を開くかもしれない北朝鮮北朝鮮を経済的及び財政的に片輪にする阻害を押している。

8。昨年まで、国連は北朝鮮のミサイルと核プログラムに焦点を当てて禁じた。昨年の決議案でさえとの全貿易及び商売を除外しない。安倍の推進しているものは完璧な貿易禁輸ー北朝鮮の不安定政権による発疹行為を引き起こし、紛争を引き起こす可能性のある行為だ。

9。トランプ政権と「密着」行進しつつ、安倍は想定される北朝鮮からの脅威を、政府の再武装アジェンダを押すために、国内の恐怖とパニックの環境に鞭打つべく利用している。

10。安倍は既に非憲法的諸法を所謂集団的自衛権ーつまり、米主導戦争への日本の軍事参加ーを正統化するために押し通した。彼は捕食的な日本帝国主義を追求する軍事力使用に関するすべての制約を取り除く全面版憲法を突き立て得る政治的環境を生み出したい。(止め)
***
 上記の通り米国が往々約束を反故にしたり、不誠実な対応することが積み重なって北朝鮮現在の依怙地ぶりがあるのはその通りだ。つまり、現在の危機は大いにアメリカが招来したものなのだ。北朝鮮の米国への不信感は根強く、対話路線でなんらかの妥協点を見つけるにしてもその米側履行の保証措置を求めるだろう(実際そう口にしたことがある)。

 米政権は時に応じて既往の協定を見直し、反故にする。最近のイラン核取引見直しを見よ。従って、北朝鮮としては核及びミサイル開発は生命線なのだ。仮に対話路線に入っても、ひたすら時間を稼いで自己の地位強化につながる核及びミサイル開発は止めないだろう(経済制裁効果で減速はあろうが)。アメリカには問題解決能力なしと密かに思っておくのが賢明だ。

 私は半島非核化を殆ど困難と見る。寧ろ核バランスを取る方向に日本は舵を切り直すしかあるまい(愚昧な国内世論があるが)。なお気になる参戦について、安倍に覚悟あり、と私は思う。
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2017年09月18日

必読)【日】核兵器を日本は本当に欲しいか その2(完) RICHARD A. BITZINGER SEPTEMBER 8, 2017


【承前】その1はこちら
ミサイルを越えて
11。同時に日本はその核兵器用の支持インフラ全体を建造しなければならないかもしれない。特定すれば、極度に安全確保された貯蔵施設がそれらを安全確保するために空軍基地や海軍基地に建設されねばならないかもしれない。核エンジニアがこれら爆弾や弾頭を維持、取り扱うために訓練されねばならないかもしれない。

12。日本は核の力の使用を安全保護する特殊な指令や制御に追いつかねばならないかもしれない。許可された行動の連携を要求する警備装置が核装置の授権なき装着や或いは爆発を防ぐために各兵器に適さねばならないかもしれない。そうしたPALはハック防止に高度に暗号化されねばならないかもしれない。

13。その時東京は核の力を装着して使用するための手続きを工夫しなければならないかもしれない。非常にありそうなことに、首相が発射暗号を含む「核のフットボール」の制御をするかもしれない。そして彼または彼女が核兵器の現実の発射の最終権限者になるかもしれない。だが潜水艦発射核の力についてどうだろうか。「2人の支配」であってさえ、SSBN潜水艦司令官は理屈上自身の権限で発射する相当な自治権を持つ。そうした細部が機能せねばならぬかもしれない。

自分次第だ、日本よ
14。取り分け、東京はこれら技術及びインフラ問題の全部に自力で格闘せねばならぬかもしれない。米国はきっと助けに行かぬだろう。信頼できる核の力を建造するには円で数十億、ことによると数兆円の費用となり、それを配備するには数十年かかるかもしれない。

15。その間…どうだ。日本人国民が大規模高価な核兵器プログラムに追随するだろうか。人は日本の政治的極右がその考えを愛すると見込むかもしれない。国家主義者(nationalist)は長いこと、国を独立して防衛できる核兵器を含む大規模な軍事力を保有する同国の帝国的遺産回復の日を切望してきた。

16。併し核化という考えについて依然嫌な日本人口の広大な多数派についてはどうだ。日本市民は過去70年間にわたって叩き込まれてきた反軍、反戦そして反核の信念を持ってきた。これらの確信は憲法9条に祀られている、それは戦争を国際紛争の道具として非難する。そうとも、この条項は数十年にわたって日本再武装、日本軍の海外派兵、米国との集団的安全保障従事を許すべく常時再解釈されてきた。にも関わらず、憲法9条は依然条劇的兵器、特に核の力を禁じるものとして解釈される。

17。もっと言えば、核兵器のことになると、日本は特殊な単一の犠牲者、かつて原爆で攻撃されたことのある唯一の国だ。これらは「核化」する路上の克服困難な感情だ。核保有の日本は想像できなくない。同時に、それは息急き切って或いは大規模な政治的誘惑を挑発せずに、安価になされ得る代物でない。(止め)
***
 筆者は日本の核武装を否定しはしないが、色々困難な事情を挙げて「できまい」と観察するようだ。恐らくその通りだろう。だが認識は変化しつつあるし、必要性・切迫性を認めればころっと変わり得ることを忘れてはなるまい。言うまでもなく、核兵器保有には憲法改正論議が必要だ。国防軍でない自衛隊は精々武装警察程度しかできず、とてもじゃないが、防衛とて疑わしい。現状満足の惰眠から覚めてはじめて本格的議論が始まる。
posted by 三間堀 at 10:55| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする